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09月18日-03号

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  1. 京都市議会 1998-09-18
    09月18日-03号


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    平成10年  9月 定例会(第3回)       平成10年第3回               京都市会会議録 第3号       (定例会)           平成10年9月18日(金曜日)出席議員 (68名)   1番 中村十一君   2番 山口 勝君   3番 柴田章喜君   4番 加藤盛司君   5番 加地 浩君   6番 繁 隆夫君   7番 中野竜三君   8番 佐藤和夫君   9番 岩橋ちよみ君   10番 せのお直樹君   11番 石黒利雄君   12番 天方晶英君   13番 久保省二君   14番 大道義知君   15番 鈴木マサホ君   16番 安井 勉君   17番 内海貴夫君   18番 大西 均君   20番 小林正明君   21番 藤井佐富君   22番 河上洋子君   23番 井坂博文君   24番 倉林明子君   26番 富 きくお君   27番 日置文章君   28番 谷口弘昌君   29番 高嶋弘恵君   30番 小林あきろう君   31番 梅林 等君   32番 田中セツ子君   33番 伊藤義浩君   34番 磯辺寿子君   35番 二之湯 智君   37番 山中 渡君   38番 三宅誠孝君   39番 藤本貞子君   40番 加藤広太郎君   41番 北山ただお君   42番 今枝徳蔵君   43番 宇都宮壮一君   44番 小川利治君   45番 中西賢治君   46番 秋山幸雄君   47番 可児達志君   48番 永嶋久仁朗君   49番 山口幸秀君   50番 井上与一郎君   51番 川中増次郎君   52番 高橋泰一朗君   53番 椋田知雄君   54番 中村安良君   56番 有吉節子君   57番 若宮 修君   58番 藤原冬樹君   59番 森 ます子君   60番 山本正志君   61番 高橋きみ君   62番 山本 豊君   63番 中西正三君   64番 西田輝雄君   65番 北川 明君   66番 国枝克一郎君   67番 西脇尚一君   68番 青木善男君   69番 津田幹雄君   70番 江羅寿夫君   71番 福島滋弥君   72番 坂口芳治君欠席議員 (2名)   19番 巻野 渡君   25番 安孫子隆秀君欠番(2) 36番      55番   議事日程   開議日時  9月18日午前10時   一般質問 (1) 市政一般について   倉林明子君 (2) 市政一般について   三宅誠孝君 (3) 市政一般について   中西正三君 (4) 市政一般について   柴田章喜君 (5) 市政一般について   加藤盛司君 (6) 市政一般について   梅林 等君 (7) 市政一般について   天方晶英君 (8) 市政一般について   富 きくお君         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕 ○議長(中野竜三君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。山中渡君と小川利治君とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中野竜三君) この場合,議長から御報告申し上げます。 本日までに受理いたしました請願187件及び陳情1件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託又は回付いたします。 以上,御報告申し上げます。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中野竜三君) 昨日に引き続き,これより一般質問を行います。発言の通告がありますので,これを許します。市政一般について,倉林明子君。 〔倉林明子議員登壇(拍手)〕 ◆(倉林明子君) 私は,日本共産党市会議員団を代表し,医療,介護の問題,職員の不祥事問題,堀川高校定時制について市長並びに関係理事者に質問します。 昨年9月の医療費の大幅な引上げから1年,総額2兆円の負担増で医療の現場では患者さんが病院に行けず病状を悪化させる事態が起こっています。この京都でも深刻な事例が相次いでいます。中京区では,旅館で働いておられた64歳の糖尿病の女性がインシュリンを自分で注射していましたが,昨年9月以降負担が倍になり,10月からは受診を中断したために12月には意識不明のところを友人に発見されて緊急入院しました。しかし手後れで左足を切断せざるを得ませんでした。友人の発見が遅れたら命さえ失っていたでしょう。南区でも不況のあおりで突然の解雇を言い渡された55歳の男性は,高血圧の持病があるにもかかわらず,治療どころではないと薬も飲まずに放置されています。まさに必要な医療が受けられない実態が広がっているのです。 これらの実態は,厚生省の97年度医療費動向調査で医療費の伸びが調査開始以来最低の伸び率となったことでも裏付けられています。日本医師会,日本歯科医師会,日本薬剤師会の3団体も薬剤費の二重負担の即時撤廃,健康保険本人負担を1割負担に戻せと大蔵大臣,厚生大臣,自民党に要望書を出されています。医療費を値上げ前に戻してと患者さんもお医者さんもこぞって願っています。そこで市長に質問します。昨年9月の本会議で我が党の岩橋ちよみ議員が医療改悪にきっぱり反対すべきと求めたのに対し,市長は,医療保険,医療提供体制全般抜本的改革が必要。改革の第1段階と理解していると答弁されています。消費税の引上げに続いて実施された医療費の大幅な引上げが病院から患者を遠ざけ手後れになるという事態を引き起こしている最も大きな要因であることは明らかです。市民要求にこたえ,今度はきっぱり国に対して医療費を値上げ前に戻すよう求めるべきではありませんか。市長は今でも医療費の大幅な値上げが必要な改革だったとお考えですか,明確な答弁を求めます。 そもそも医療の抜本改革が叫ばれる背景には,年々上昇する医療費の負担を国民にもっとしてもらおうという政府の思惑があります。最も標的にされているのが高齢者です。高齢者の医療費負担は有料化された1983年から値上げの連続で,外来では昨年の9月からそれまでの2.5倍に負担が一気に増えました。医療費負担を上げるだけでなく,高齢者がたくさん長く入院するほど病院が損をする仕組みを導入し,病院から高齢者が追い出される状況を作りました。この10月からも診療報酬制度の見直しで,高齢者が長く入院している病院の看護料を大きく減らし,高齢者の病院からの追い出しを加速しようとしています。本当に医療の改革というのであれば,医療費の3割を占める薬代,世界一高い薬価にこそメスを入れるべきです。患者の負担を増やすこと中心の医療改革は,お金がなければ医療が受けられない事態を更に拡大し,国民がひとしく受けられる医療制度そのものを崩壊させることにつながるでしょう。10月実施予定の診療報酬改定の撤回と患者負担を増やす医療改革はやめるよう国に求めるべきと考えますがいかがですか。 患者負担が増やされる中,市民の医療費負担をどう軽減するのかが自治体にも大きく問われています。大阪府が老人医療費の助成制度を後退させる中,大阪市や堺市では,府がやらないなら市がやると現行制度の存続を決めています。財政負担は大阪市で約12億円,堺市で年間約4億円と思い切った決断です。京都市でもせめて老人医療対象者と70歳以上の低所得者の方々の薬代負担分だけでも助成すべきではありませんか,市長の答弁を求めます。 次に2000年4月から実施が決定している介護保険について質問します。深刻な介護問題にこたえるものとして国民の大きな期待の中で介護保険がスタートします。8月の市民しんぶんでも長寿社会の安心制度と紹介されていますが,その内容はどうでしょうか。誰でも,いつでも,どこでも保険証1枚で安心して利用できる制度と言えるでしょうか。 第1に保険料負担の問題です。1人当たり月々平均2500円という保険料負担が40歳以上の市民全員に掛かります。非課税の世帯はもちろん無年金の方でも寝たきりの高齢者でも,生きている限り負担は免れない制度になっています。まるで第2の消費税ではないでしょうか。保険料の額は今から3年前の実態を基に計算されていますので,2000年には高知県の試算では月額5000円を超えるという報告もされています。このままでは保険料が払えない人がたくさん出ることになるでしょう。払えなければ介護は受けられません。同様に利用料の1割負担も大変です。在宅で介護を受ける場合で6000円から3万円,施設では大方5万円負担しなければサービスは受けられません。実際,現在福祉サービスを受けておいでの方々がどのぐらいの負担になるのか,国が現在明らかにしている介護報酬に基づいた試算の事例を紹介します。72歳の女性で脳梗塞,在宅で夫が介護している非課税世帯の場合です。現在月額8000円が1万5830円と約2倍に負担が増えます。また89歳の男性は,現在ポータブルトイレへの移動と食事も準備されれば何とか自分で食べられるという状態で,多くのサービスがあって初めて自宅での独り暮らしが可能です。現在の負担額は6000円ですが,この方の場合,介護保険の給付上限額を超えたサービスを使わなければ暮らせないため上乗せ部分の自己負担が加わり4万3800円,何と7倍にも負担が増えるのです。低所得者で最も福祉の必要な方が保険料,利用料が負担できず介護保険からは排除されるという事態を防ぐために減免制度は欠かせません。国に対して国庫負担による減免制度の実現を求めること,併せて国は市町村独自の減免制度を原則認めないという立場ですからこの撤回を求めるべきです。同時に京都市としても独自の保険料,利用料負担の減免制度を作るべきと考えますがいかがですか。 第2に利用者はサービスを自由に選択できるのかという問題です。現在京都市で特別養護老人ホームの待機者は3000人を超え,デイサービスセンターの利用待ちも1000人を超えていますが,介護保険でこれらの方が2000年から直ちに希望するサービスを受けられるような整備状況ではありません。数が全く足りないからです。日本共産党市会議員団は繰り返し高齢者保健福祉計画の目標を2倍に引き上げよと求めてきましたが,目標の見直しは行わないと答弁されてきました。施設でも在宅でも本当に選択が可能な介護保険を整備するには制度が始まる前にどれだけ基盤整備を整えるかにかかっています。現行の目標達成で整備を頭打ちにするのでなく,目標を上回る取組を進めるべきだと考えますがいかがでしょうか。 第3に認定にかかわる問題です。いざ介護が必要となった場合,受けられるサービスはコンピュータで決められます。自立と判定されれば一切のサービスは受けられません。現在特別養護老人ホームに入所されている方でも自立か要支援と判定される方が1割程度は出るだろうと予測されていますが,これらの方は5年間の経過措置の後にはホームを出ていかなければなりません。ついの住みかだと家やアパートを処分し,着替えと仏壇を持ってこられた方々に一体どこへ帰れというのでしょうか。このような高齢者の生活実態や痴呆症の状況はコンピュータのシステムには反映されないものとなっています。現在特別養護老人ホームに入所されている方々を追い出すことのないよう改善が必要です。高齢者の実態を反映した認定のシステムとなるよう国に求めると同時に,京都市として詳細な高齢者の実態把握に努めるべきと考えます。いかがですか。 第4に在宅で寝たきりや痴呆の高齢者を家族のみで介護されている方々はどうなるのかという問題です。介護保険導入で介護家族にとって増えるのは保険料負担だけということになりかねません。こういった介護保険でカバーできない部分を補うのが介護者激励金です。介護者激励金は介護の負担に見合ったものに充実こそさせていくべきだと考えますがいかがですか。このままでは高い保険料,利用したくてもできないサービス量の不足,厳しい認定基準,高い利用料という何段階ものハードルをクリアしないと介護は受けられないものになってしまいます。市長,介護の必要な方々がお金がなくとも家族にも行政にも気兼ねなく利用できる制度にするという決意をお聞かせください。 次に連続する不祥事の問題についてです。京都市職員の不祥事は目を覆うばかりです。市長が就任されてからも,土木部長である市幹部の収賄,連続する覚醒剤使用,環境局職員の収賄事件に暴行事件,逮捕者が相次ぎました。市長,局長の謝罪も何度聞いたことでしょう。解決策を示した文書もたくさん出されましたが,文書が出された後からも不祥事が繰り返し起こるのはなぜなのか,これが市民の率直な疑問です。最大の原因は1983年,1986年に発覚した2億円,3億円の公金不正事件で明らかになった同和の運動団体,特定の企業との癒着の構造をいまだに温存しているところにあるのではありませんか。 今回逮捕者が出た南部クリーンセンターカード横流し贈収賄事件について質問します。事件は新聞報道で発覚し,その後も警察の取調べによって事態の深刻さが浮き彫りになりました。その中で職員と一部業者の癒着の構造と京都市の自浄能力の欠如が明らかになりました。今回贈賄容疑で逮捕された業者は許可も受けずにごみを搬入していた違法業者でした。この業者が職員用の風呂を利用するなど日常的に出入りするだけでなく,問題の職員とその上司も飲食をともにし,ゴルフ,海外旅行に行くという職場ぐるみの癒着の構造ができ上がっていたのです。問題は,環境局が不正な横流しや不正計量など事前に知りながら当事者を異動させるなどの対応で事済ませようとしていたことです。本市に損害を与えている事実や違法行為が発覚した時点で直ちに徹底した調査と毅然とした対応をとるのが当然です。公にならなければ自らは深刻な事態にメスを入れられない体質を長期に放置してきた環境局の最高責任者である局長の管理監督責任は極めて重大です。発表された処分の内容は戒告と局長の責任も問う内容となっていますが,市長は,定年で本来退職するはずだった現局長を1年間延期してまで任命されています。管理監督責任並びに任命権者としての責任を市長,あなたも問われているのではありませんか,見解を求めます。 これら事件が続発する背景にある京都市職員の選考採用問題について質問します。同和の運動団体が事実上職員採用の権限を握り,公務員としてふさわしいかどうかが問われないまま不正常な雇用を続けているため,覚醒剤使用の前歴の持ち主や暴力団関係者まで京都市職員に採用されるのは他都市に例がない異常な事態です。部落問題の解決のために始まった選考採用ですが,今日ではその必要性は何ら根拠がないものとなっています。選考採用された職員の中のほんの一部の職員による不祥事が職員全体の信用を失墜させているのです。職員全体の公務員倫理確立一般にこの問題をすり替えるのではなく,この際,不正常な雇用を改め厳密な完全公開公募に切り替えるべきだと考えます。市長,あなたは同和行政終結を選挙公約に掲げながら,改革だと変えられたその姿勢こそ問われるのではありませんか。市長の答弁を求めます。 最後に堀川高校定時制の廃止について質問します。堀川高校定時制は校舎の改築に伴って教育条件の悪化を理由に97年の春から募集を一時停止していたものです。堀川高校定時制在校生,保護者の皆さんが来春の新校舎完成を心待ちにされている中で突然の定時制廃止決定はその願いを踏みにじるものだと言わなければなりません。なぜ今廃止なのか,その理由を明らかにすべきではないでしょうか。第1に募集停止の大きな原因とされていた教育条件の問題です。新校舎の完成は教育条件の改善にほかなりません。教育条件の悪化という理由はなくなるものと考えますがいかがでしょうか。第2は定時制全体の充足率の低下という点です。市内定時制は定数を大きく割り込む状況が長期に続いています。市内全体の定時制をどうしていこうと考えているのか示すべきではないでしょうか。堀川高校定時制は毎年100人を超える生徒が入学し,募集停止前には300人を超える在籍生徒がいたのです。堀川高校が立地条件が良いことによる交通の利便性にとどまらず,一人一人を大切にする豊かな教育実践の魅力があったからたくさんの生徒が入学してきていたのです。定時制として最も適正な場所にある高校であり適正な規模の高校ではないでしょうか。なぜ堀川高校定時制を真っ先に廃止するのか,その理由を御説明ください。 今,受験中心の教育体制の下で不登校の生徒は増加の一途をたどっています。定時制高校は,当初の勤労学生の高等教育の場というだけでなく,いじめ,不登校,中途退学などを経験した子供たちが安心して学べる貴重な学校ともなっています。保護者,卒業生にとどまらない16万人の方々が募集再開を求めて署名されています。これだけ広範な市民に存続を求められている学校を廃止してよいものでしょうか。市民のこの声を受け止め,堀川高校定時制廃止を撤回し直ちに募集の再開をされるよう強く求めて私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(中野竜三君) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼君) 倉林明子議員の御質問にお答えいたします。 医療費負担についてのお尋ねでございますが,今日の医療保険財政の危機的状況を踏まえ,21世紀の本格的な少子,長寿社会においてもすべての国民が安心して良質な医療サービスを受けることができる医療保険制度を堅持していくことが今,誠に重要な課題となっております。このため国における医療保険制度抜本的改革の第1段階として医療費負担の公平化を目的に健康保険法等が改正されたものであると認識いたしております。なお乳幼児医療につきまして,この議会にお諮りいたしましたが,この度ゼロ歳児,1歳児,2歳児につきましては入院,通院とも全額無料といたしました。京都市財政は誠に厳しい状況にございますが,市民の皆様の子育てを支援するために健康保険法を補完した制度を導入したと御理解いただきたいと思っております。 次に環境局の不祥事についてでございます。環境局におきましては,局長を中心に全力を挙げて服務規律の厳正化に取り組んできた中での事件であるだけに誠に痛恨の思いをいたしております。一連の事件につきましては,実行者はもとより局の最高責任者である局長をはじめ管理監督者に対しても厳正な処分を行うとともに,私自身の責任におきまして再発防止を目指し毅然とした徹底した服務体制を確立するために一層努力するよう言明したところであり,その進捗につきまして今後十分に監視,指導してまいりたいと存じております。 以下,副市長,教育長,局長が御答弁申し上げます。 ○議長(中野竜三君) 薦田副市長。 〔薦田副市長登壇〕 ◎副市長(薦田守弘君) お年寄りの薬剤費の助成についてであります。昨年9月から医療保険制度の安定的な運営の確保,世帯間の負担の公平化を図ることを趣旨として健康保険法などの一部改正が行われ,外来薬剤に係る一部負担金の制度が創設されました。老人医療費支給制度及び老人保健医療の低所得の受給者の方に対して本市が独自にこの薬剤負担分を助成するには,試算で年9億円を超える多額の財政負担が必要であり,本市の大変厳しい財政状況から実施することは困難でございます。 次に介護保険料及び利用料の減免についてでありますが,国におきましては第1号被保険者の保険料を所得段階別の保険料とすることや,あるいは食事の標準負担額などについて低所得者に配慮することなどが制度として盛り込まれていますために,このほかに一般的な低所得を理由とする減免制度は想定されておりません。本市といたしましては,低所得の方々にとって過重な負担とならないように今後とも他都市とも連携しながら国に対して要望を続けてまいります。 次に高齢者保健福祉計画に基づく基盤整備につきましては,着実に推進していくことをアクションプランのひとの元気策の中心に位置付け目標の達成に向けて努力しているところでございます。その結果,一部を除いてほぼ達成の目途が立ってまいりました。アクションプラン後の平成12年度以降につきましては,10年度と11年度で策定いたします介護保険事業計画の中でサービスの必要量を明らかにしてまいります。 次に特別養護老人ホーム入所者で自立と判定された方の経過措置後の対策でありますが,判定後も安定した生活が送れるよう対応を検討してまいりたいと考えております。また高齢者の実態につきましては,今年度全区,支所で実施いたしますモデル事業において検証いたしますとともに,介護保険事業計画策定作業の一環として実施いたしております実態調査の中で明らかにし,その結果を施策に反映させてまいります。 次に介護者激励金につきましては,寝たきりなどの日常生活に著しい支障のある要介護高齢者を在宅で常時介護されている方を激励するために平成2年9月から実施しておりまして,平成9年度には支給額を7万円に引き上げたところでございます。介護保険の導入に際しましては,高齢者福祉施策の全般を再構築する必要があり,激励金につきましてもその中で検討してまいりたいと考えております。 最後に介護保険制度の利用についてであります。この制度は,社会保険方式によって高齢者の介護を社会全体で支え利用者の希望を尊重した総合的なサービスを受けられる仕組みとすることによって市民のどなたもが安心して高齢期を迎えられる豊かな長寿社会を実現しようとするものでございます。このような趣旨が生かされた制度になりますように引き続いて国への要望を行いますとともに,本市といたしましても円滑な施行に向けて着実に準備事務を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 中谷副市長。 〔中谷副市長登壇〕 ◎副市長(中谷佑一君) 同和行政についてでございます。一部の者の不祥事であっても,額に汗して市民サービスの第一線に立って頑張っている多くの職員に対する市民の信頼が失われることは誠に遺憾であります。同和行政全体が転換期を迎えている中で,いわゆる雇用につきましても見直す必要があることはこれまでから申し上げてきたとおりであり,現在全面公募に向けての条件整備を進めているところであり御理解いただきたいと存じます。 ○議長(中野竜三君) 田中保健局長。 〔田中保健局長登壇〕 ◎保健局長(田中義枝君) 医療改革についてのお尋ねですが,10月実施の診療報酬改定については,医療提供体制,薬価制度,診療報酬体系の見直しなど多岐にわたる医療保険制度抜本的改革の一環として在院日数の短縮や長期入院の是正のため実施されるものであります。これは本格的な少子,高齢社会を迎えるに当たり21世紀においても国民皆保険制度を堅持し,生涯を通して総合的な国民医療の実現を図るために進められているものと認識しております。 ○議長(中野竜三君) 﨑野教育長。 〔﨑野教育長登壇〕 ◎教育長(﨑野隆君) 堀川高校定時制の生徒募集についてでありますが,平成9年度から生徒募集の一時停止を行いました。募集を再開するかどうかにつきましては市内公立高校定時制全体の入学状況等を総合的に判断することとし,その後2年間にわたり慎重に推移を見守ってまいりました。定時制への入学者の総数は,市内公立高校定時制7校の総定員の68パーセントにとどまり,定時制希望者の受入れは現状でも十分可能であること,一時停止が中学校での進路指導に影響を与えていないこと,また今後の中学卒業者数の減少により定時制入学者が大幅に増加する見込みがないこと,更には定時制教育の活性化の観点から教育活動に必要な規模,地理的配置等も勘案して募集を再開しないことと決定いたしました。今回の措置は定時制教育の必要性を否定するものでは全くなく,定時制教育を必要とする生徒がいる限り維持,充実していく考えであります。本年度も新たなニーズにこたえて洛陽工業高校定時制にコンピュータ科を,伏見工業高校定時制に都市建設科を新設し一層の充実を図ってきたところであります。今後とも定時制教育を継続的,安定的に維持するため京都府とも十分協議し,公立高校定時制の適正な規模の維持及び配置に努めるなど定時制教育の充実に取り組むことが市民の願いにこたえていくことと考えております。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中野竜三君) 次に市政一般について,三宅誠孝君に発言を許します。三宅君。 〔三宅誠孝議員登壇(拍手)〕 ◆(三宅誠孝君) 私は,日本共産党京都市会議員団を代表し市長並びに理事者に質問いたします。テレビを御覧の聴覚に障害のある皆さんは手話通訳で御覧くださいますようよろしくお願いします。 まず最初に京都市の交通行政,市民の皆さんの足をどう守っていくかについてお尋ねいたします。一昨年,京都市は市バス,地下鉄料金を値上げし全国一高い運賃を市民に押し付ける一方,京都市自動車運送事業の今後の展望についてを発表しました。タイトルこそ今後の展望になっていますが,中身は市民,利用者の皆さんの要望にこたえるものでなく,市バス事業を大幅に減らす縮小,廃止,民営化路線の計画でした。2003年を目標に市バスを191両減らし,走行キロを2万800キロメートル,乗客を1日7万1000人,交通局職員を522名減らすという大リストラ計画であります。既に大原,八瀬,岩倉など左京区北部地域や伏見区醍醐,山科区全域で市バスが廃止されました。理事者は,民間バスに一元化するのだから大丈夫と答弁されていますが,利益あっての民間企業であって,市民の足を守る責任のある公営企業とはおのずから違ってきます。例えば岩倉実相院発北大路行き市バス北4系統が廃止され京都バスに一元化されましたが,平日56本,京都バスと合わせると61本ありましたのが,北大路行きは14本だけ,地下鉄へ乗り継ぐ系統が28本と61本から42本に減少し,料金も270円が乗り継げば400円に跳ね上がっています。醍醐山科では地下鉄東西線開通で市バスが全廃されました。京阪バスは京阪電車への接続に重点が置かれ不便な状況も生まれています。 私どもは,民営バスは料金値上げや経営問題が議会に諮られることもなく,路線の変更や運行回数が減らされても市民の切実な声が届きにくくなると指摘してきました。実施1年余り,振り返ってみまして残念ながら指摘どおりになっているではありませんか。こうした日本一高い運賃を負担させながら不便を押し付ける市当局に対し,市民,利用者の皆さんから抗議,批判が寄せられ,市会への請願は900件を超えて提出されました。こうした市民,利用者の粘り強い運動で,醍醐山科から東山,中京,下京への路線の復活などをさせたこと,洛北高校定時制生徒の帰宅時間に合うよう終バス時間の延長を実現するなど大きな成果も挙げており,今後に教訓を残しました。市民の足を守る公営交通として,こうした市民,利用者の要求と運動を踏まえてこそ市バスの展望は開けるのではありませんか。京都市は,今後の展望を直ちに撤回し,市民サービスの向上で便利で安心して乗れる市バスへと乗客を増やす積極的営業政策に切り替え公営交通事業の発展を図るべきです。市民の皆さんが納得される市長の答弁を求めます。 交通局は2月市会の折,市南西部の市バスを民間バス会社との間で管理受委託契約を結ぶ方向を示され新聞報道でも採り上げられております。これは道路運送法第35条の規定により,車輌は市バスのまま,横大路営業所も使いながらバスの運転や技術,運行の管理を委託するというもので委託先のバス会社の利益も保障しなければなりません。実施されると全国の公営交通の中で京都市が最初に取り組むことになります。市の直営とどう違うことになるのか。私ども全国で管理受委託方式を採り入れている民営バス数社を手分けして調査いたしましたが,過疎地域等の不採算路線を別会社に分離し,コスト低減策として人件費を低く抑えるのが主な狙いであり,会社によっては50パーセントに抑えているところもありました。一言申し添えますと,私どもは他との比較や経営の状況も無視して賃金は高ければ高いほどよいという考え方にくみするものではありません。憲法第15条の公務員は全体の奉仕者という自覚を高め,給与についても市民の理解と納得の得られる水準にして交通職員の資質の向上を図り,市民サービス,安全運転に徹し,市民から信頼が得られるよう努めるのは当然のこととして毎年行う予算要求でも強調し求めてきたのであります。 さて管理受委託方式では,運転手は公務員でなくなり民間労働者になり,そして低賃金が持ち込まれます。赤字だからと管理委託を行っていけば今後の展望の路線を採る限り,横大路営業所を出発点に,やがて市バス全体に拡大されるのは明らかではありませんか。このような制度の実施は,結局,市民の足を守る行政責任を放棄し,赤字をバス労働者の低賃金にしわ寄せする以外の何ものでもありません。また,この方式は安全確保が一番大切と運輸省も指摘しておりますが,万一事故が起こったときの責任はどうなるのかも心配です。 日本共産党市会議員団は,市民の皆さんとともに市バスの管理受委託方式は公営交通切捨て策第2弾,桝本市長の市民犠牲の市政リストラの最先端を行くものとして撤回を強く要求します。理事者の答弁を求めます。 市バス事業の赤字不採算は,公営企業法による独立採算制を国に押し付けられているところに大きな原因があるのは誰しも認めるところです。本来,採算性がなくても高齢者や障害のある市民など多くの市民の足を守るなど市民サービスに努めなければならない役割があります。また民営バスが採算上運行できない所,例えば先日も左京区久多地域の住民シンポジウムに参加させていただきましたところ,ここは高齢者が50パーセントを超す地域で,公共交通手段が何もありません。せめて朝夕1往復でも隣町の民営バスとの連絡手段を作ってもらえないかと女性会の方から切実な声がありました。こうした願いを生かすことこそ公営交通の役割ではありませんか。久多地区の交通対策についてお答えください。 市長は,平成11年度国家予算に関する要望の中で公営バス事業の資本費について助成措置の確立を求められ,またいわゆる行政路線,経営環境の悪化その他企業外の要因等によりやむなく生じた赤字についてその解消を図るための助成措置などを求められていますが,その実現に一層努められるとともに,公営企業法の改正を強く求め,公営交通事業を交付税対象にし赤字解消するよう努力すべきと思いますが,市長の見解をお示しください。 次は交通事業の規制緩和の問題です。政府は今,規制緩和の名の下に今年度中に公共交通,乗合バス事業についても大きく変える方向を打ち出しています。それは現在,乗合バス事業を行うときや廃止する場合,運輸省の免許,許可が必要です。ところがこれを届出だけでやるもやめるも事実上自由にしようというものです。これでは採算の合う市バス路線に民間バス会社やタクシー会社,トラック運送会社などがどんどん入ってくることになります。一方,乗客の少ないもうけにならない周辺地域や昼間時間帯からは撤退してしまうでしょう。京都市が今後の展望に基づく姿勢を続けるなら,結局市内中心部でも採算が成り立たなくなり,そこからも市バスはなくなってしまうことになるのではありませんか。全国の民営バスなどで組織されている日本バス協会も,このような規制緩和が行われたら黒字路線だけの競争になり赤字生活路線が維持できるのか。環境問題,高齢化社会への対応が大変危惧されるとの意見を表明されています。市長は,2月市会で規制緩和は反対とは言えないと答弁されましたが,市民の足を守るためにもバス事業の規制緩和は中止するよう国に対し堂々と要求すべきです。お答えください。 次にダイオキシン対策について質問いたします。ダイオキシン汚染は世界でも最悪の状態になっています。日本ではダイオキシン排出抑制対策を全く採ってこなかったため,大気,母乳のダイオキシン汚染は世界最高となっています。ダイオキシンはいったん体内に入ると排出されず蓄積されます。例外として母乳に濃縮されて排出されますが,これが一番心配です。世界保健機関WHOは,ダイオキシンの1日耐容摂取量の新基準を1ないし4ピコグラムに規制強化しましたが,ヨーロッパでは既に1ピコグラムに抑える国が主流であり,アメリカでは更に厳しくなっています。ところが日本ではダイオキシンの耐容1日摂取量を初めて決めたのは84年。そのときの基準値は何と100ピコグラムです。90年のWHO基準を受けて厚生省がやっと10ピコグラムに決めたのは2年前の96年です。また,ごみ焼却炉の排出基準も欧米に比べ数倍から10倍も緩いものです。各地から高濃度で検出されている土壌汚染については環境基準さえ定めていません。この間,京都府下や近隣の府県においても高濃度の汚染が発覚,更にデータ隠しなどが露呈し市民の不安と怒りは強まっています。昨年の10月市会でも廃棄物とダイオキシン対策の強化を求める意見書を全会一致で決議いたしております。ところが市長は,5月市会において我が党議員のダイオキシン土壌調査を箇所も決めて緊急に行うべきとの質問に,土壌中の基準値などを検討している国の動向を踏まえ前向きに検討したいと答弁されましたが,今日そのような消極的な態度は許されません。そこで我が党議員団は,8月27日市長に対しダイオキシンの土壌調査に関する緊急の申入れを行いました。これに対し市は9月9日,宅地や農地も含む土壌や河川の水質調査を行う方向を示されました。市民の命と健康を守ることは自治体の第一義的な課題であり,本市においても一層強力な対応策を採ることが緊急に求められております。国に対し抜本的な打開策を求めるとともに,既に所沢市ではダイオキシンを規制し市民の安全を図るため条例が作られています。本市でも条例の制定を急ぐべきです。市長の答弁を求めます。また国に対してもダイオキシンの耐容1日摂取量の基準をWHO新基準を基に規制を強化し,焼却炉の排出基準の見直し,土壌汚染の基準値設定など直ちに決めるよう要求すべきです。更にダイオキシンの発生源である塩化ビニール製品の生産,使用を規制し,製造企業に対して引取りと表示を義務付けるよう国に強く求めていただきたいと思いますが,御答弁ください。 次にダイオキシンの調査についてお尋ねいたします。国民的な不安の声に厚生省も全国で大気や土壌のダイオキシン調査を行う方向が出され,本市も大気6か所,土壌3か所の調査を求められました。ところが,これは箇所数も少なく,また行政区が明らかにされるだけでどの場所なのかが明らかにされませんので,市民の皆さんの不安にこたえられるものではありません。京都市独自で直ちに伏見区の大岩街道周辺や左京区静市,西京区大原野上羽町,北区雲ヶ畑周辺など市内あちこちで行われている野焼きや野焼きの跡地,更に中間処理場や産廃焼却炉などダイオキシン汚染の疑いのある土壌調査を行い公表すべきです。また水垂の最終処分地の土壌を調査することや株式会社環境保全公社のダイオキシン調査も実施し公表してください。そして不安を感じ,希望される市民のダイオキシン母乳調査や清掃工場,クリーンセンター内で働く職員の毛髪,血液などの健康調査も実施すべきです。以上21世紀はもちろん京都の未来にかかわる重大な問題です。歴史の検証に耐え得る答弁を求めるものであります。 次に大型スーパー出店問題についてお尋ねいたします。我が党の山中議員が大型スーパーの野放しで地元商店が大打撃を受ける問題について質問いたしておりますので重複を避け,左京区の具体的な問題について質問いたします。左京区高野ではスーパーイズミヤが現在の店舗と合わせて3.5倍以上に拡大し,950台の駐車場も新設する計画を発表し,既に大規模小売店舗法第5条に基づく出店小売業者の届出がされています。これがそのまま建設されますと左京区全体の小売店の床面積の20パーセントを上回るもので,物品販売予定額の年間165億円は,左京区はもちろん北区の商店にも重大な影響を及ぼすのは明らかです。また伏見や右京など各地で大型スーパー周辺の交通渋滞は深刻な環境問題となっていますが,イズミヤ付近の道路や交通,住環境に及ぼす影響も懸念されています。遠方に買物に行けない高齢者などにとって地域の商店や商店街は頼りになる所です。先の見えない不況の中,必死に営業を守っておられる皆さんにとりまして,大型店の出店は何とか持ちこたえてきた気力をも失わせ,地域全体を寂れさせてしまう状況に発展しかねない問題を持っています。本議会にも左京各地の12の商店会などそれぞれからイズミヤのホリデーイン京都への出店計画に対して強力な行政指導を求める請願書が超党派の議員の紹介で提出されています。今後市長は大規模小売店舗法,大店法に基づき知事及び大規模小売店舗審議会に対し意見を述べられる機会があります。昨年のスーパーライフ出店問題で地域商店街や住民の立場を踏まえた意見を述べられたように,高野イズミヤ増床計画に対しても地元商店や商店街を守る立場に立たれること,また大店審では意見を述べることができない周辺住民の道路,交通問題等に対する要求も反映できるよう努力すべきと思いますが,市長の見解をお聞かせください。 次に左京区のスポーツ施設についてお尋ねいたします。地域体育館は,隣接の北区北大路の施設を左京区民と北区民が共同で利用することになっていますが,御存じのように左京区は京都市域の41パーセントの面積があり,人口は伏見区,右京区に次ぐ第3位です。左京区内に体育館をというのは党派に関係なくみんなの願いであり,他行政区の皆さんも次は左京区に造られても同意していただけるのではないでしょうか。何といっても用地が問題です。幸い同志社から購入し,現在スポーツ少年団に管理委託しています岩倉グラウンドは約2万8500平方メートルあり,その一画に文化スポーツ施設を建設することは十分可能であります。地下鉄国際会館駅から約5分,叡山電鉄岩倉駅からは1分,交通の便も申し分ありません。またこの岩倉グラウンドは,岡崎公園野球場兼運動場の改修期間代替施設として活用されていました。岡崎グラウンド改修完了に伴い代替施設廃止となりましたが,その条例制定に当たり,引き続きこの用地を市民に開かれた運動施設として活用するよう全会一致で付帯決議が行われております。前向きの答弁を期待いたしまして,第一質問といたします。(拍手) ○議長(中野竜三君) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼君) 三宅誠孝議員の御質問にお答えいたします。 本市のダイオキシン類対策は,市民の健康と環境先進都市の実現を切望する私の最も重要とする施策の一つでございます。そこで私は財政状況の厳しい中ではございますが,本年度当初予算に約53億円を盛り込み全国に先駆けてクリーンセンター改修5か年計画の初年度事業や環境調査等に取り組み,更に補正予算で15億円余を計上し万全を期しているところでございます。今後ともこれらの取組に全力を挙げますとともに,国に対しましてもあらゆる機会を通してダイオキシン類対策の強化を切望してまいりたいと存じております。 以下,副市長,管理者,局長が御答弁申し上げます。 ○議長(中野竜三君) 薦田副市長。 〔薦田副市長登壇〕
    ◎副市長(薦田守弘君) 引き続いて本市のダイオキシン類対策についてでございます。環境中のダイオキシン類の把握など総合的かつ効果的な対策を推進するために,今年7月に京都市におけるダイオキシン類の現状と対策を取りまとめました。御質問の国におきます塩化ビニール製品の表示義務付けなどのダイオキシン類の総合対策の早期確立につきましては,既に大都市の環境保全主管局長会議を通じて要望を行っております。また大岩街道周辺地域につきましては,京都市違法開発等対策会議において取組方針を決定し,全庁的な体制の下で取組を行い,その中で大気中のダイオキシン類調査を実施し,その結果の公表もしております。更に土壌についても調査結果を現在取りまとめているところであります。また水垂最終処分地につきましては,既に水質の調査を行っており今回の補正予算でも計上しておりますように周辺土壌調査も近く実施する予定であります。なお環境保全公社の排ガス中のダイオキシン類調査につきましては,本年3月に調査を行い,地元自治会等に報告いたしております。 次に母乳中のダイオキシン類については,国からの報告では乳児に与える影響は直ちに問題になる程度ではないとされておりまして,今後とも母乳を推奨していくとされております。本市といたしましては,国等の動向を見守ってまいりたいと考えております。 クリーンセンター職員の血液等のダイオキシン類検査につきましては,現在のところ検査の方法や評価の基準が示されておりませんが,クリーンセンターの作業環境については調査を実施いたします。以上であります。 ○議長(中野竜三君) 増田副市長。 〔増田副市長登壇〕 ◎副市長(増田優一君) 京都ショッピングプラザ高野の出店についてお答えいたします。大型店の出店に際しましては,本市といたしましても従来から周辺商業の状況や交通騒音問題をはじめとする生活環境上の問題など地域の実情を踏まえた商業調整がされるよう大規模小売店舗審議会等に意見を述べる等適切に対応してきております。また出店計画地周辺の中小小売商業者の方々や地元住民の方々も大規模小売店舗法に基づき同審議会に対して意見を申し出ることができることとなっております。本市といたしましては,御指摘の京都ショッピングプラザ高野の出店に際しましても,消費者利益の保護と中小小売業の事業活動の機会の確保という大規模小売店舗法の本来の目的が反映されないおそれがあると認められる場合や交通騒音問題など地域の生活環境に著しい影響を及ぼすと認められる場合には,従来どおり適切に対処してまいりたいと考えております。 ○議長(中野竜三君) 平野総合企画局長。 〔平野総合企画局長登壇〕 ◎総合企画局長(平野之夫君) 久多地区の公共交通対策についてでございますが,久多地区をはじめ市内周辺の山間地域におきましては交通手段の確保のほか様々な課題がございます。こうした山間地域の課題につきましては,地域水道の事業化をはじめ生活基盤の整備,産業の振興,過疎化,高齢化への対策等を進めているところでございます。交通対策につきましては,これらの取組と併せて総合的に検討を進める必要があると考えております。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 坪倉文化市民局長。 〔坪倉文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(坪倉讓君) 地域体育館の建設についてのお尋ねでございますが,平成3年6月に発表いたしました地域体育館構想に基づき条件の整った所から順次建設を進めているところであります。本年11月には6館目となります京都市山科地域体育館をオープンいたしますとともに,東山地域体育館につきましてもこの秋には建設を予定いたしております。左京地域につきましては,現在建設適地についての調査検討を進めているところであり,今後とも地域体育館構想の早期実現に向けて取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 下薗公営企業管理者。 〔下薗公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(下薗俊喜君) 京都市のバス事業についてのお尋ねでございますが,平成8年5月に策定いたしました京都市自動車運送事業の今後の展望については,市バス事業が危機的状況にあり,このまま推移すれば事業の存続すら困難になるという認識の下,公営交通として市民の足を守っていくための将来展望を示したものでございます。この展望に基づきまして,平成9年度までに烏丸線の延伸に伴う岩倉大原地域の京都バスへの一元化や東西線の開業に伴う山科醍醐地域の京阪バスへの一元化などを実施してまいりましたが,その際には交通局が窓口となることによりまして地域住民の声が反映できたものと考えております。(発言する者あり) 次に京都南西部交通問題についてでございます。横大路営業所の新たな運営方式につきましては,この地域の住民の足を確保し地域の発展に寄与するとともに,バス事業の経営健全化にも資するという基本的考え方を踏まえ,京都南西部交通問題協議会におきまして協議検討を行った結果,より効率的な運営を目指すとともに市民の皆様に安心して御利用いただける方式として管理の受委託方式で実施することといたしました。なお主たる委託先につきましては,阪急バス株式会社とし現在具体的協議に入ったところでございまして,平成12年4月の実施に向けまして現在全力で取り組んでいるところでございます。 次いで国への要望についてでございます。地方公営企業法は,その経営の基本原則として企業の経済性を発揮するとともに公共の福祉を増進するように運営されなければならないと規定しておりまして,また経費負担の原則といたしまして一般会計など他会計が負担する内容も定めているところでございます。御承知のとおり公営バス事業の財政状況は各都市とも非常に悪化しておりまして,本市の財政状況もまた極めて厳しい状況にございます。このため各都市と共同いたしまして国に対し公営バス事業の資本費に対する助成措置の確立,不採算路線に対する助成措置の改善などを要望してまいったところでございます。 次に乗合バス事業の規制緩和についてでございます。現在バス事業につきましては,地域の需要に対しまして既存の輸送力が足りない場合に限り免許を交付するという需給調整規制が行われております。この需給調整規制について,生活路線の維持方策を前提に遅くとも平成13年度までに廃止することが閣議決定されており,現在生活路線の維持方策と需給調整規制廃止に伴う諸問題への対応について運輸政策審議会において審議されているところであります。そして本年度中には答申がなされると聞いております。本市といたしましても,これら諸問題に対し他都市と共同で要望を行うとともに,一層の経営の効率化により経営基盤を強化し市バスが今後とも市民の足としての役割を果たしていくよう全力を挙げて努力してまいる所存でございます。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 三宅誠孝君。 〔三宅誠孝議員登壇(拍手)〕 ◆(三宅誠孝君) ただ今答弁いただきましたが,不十分な内容で市民の皆さんの願いや疑問への答えにはなっていないと思います。引き続き同僚議員とともに委員会でも議論してまいりたいと思います。 京都市自動車運送事業の今後の展望については,そのまま進める立場を変えておられません。市南西部地域の市バス管理受委託方式に見られるように,結局公共交通の役割を投げ捨て市民の足を守る責任を持たないことを改めて明らかにされたことになるのではありませんか。 ダイオキシン等の対策について,市長は全国一を目指す決意を述べられました。その決意が空回りにならないよう,また母乳調査など国待ちになることなく,市独自の調査の一層の充実やダイオキシン等の排出抑制に実効性のある条例制定へ真剣な取組を求めておきます。 大型スーパー野放しは,地域経済と地域社会に重大な結果をもたらすことは明らかになっています。全国の優れた教訓に学ぶとともに京都独自の方策も検討すべきです。 左京区久多地域の交通問題は,市周辺部の過疎地域それぞれの対策も含め深刻な問題として対応が必要です。生活を守る立場からの対応を強く求めておきます。 岩倉グラウンドに是非と求めましたスポーツ施設につきましては,左京区は東山区,右京区の次になりそうな答弁ですが,南区のヘルスピアや明日竣工される山科のラクトスポーツプラザのようにより充実したものに,左京区は待っていたかいがあったと言えるものになることを期待いたしまして,私の質問といたします。どうもありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中野竜三君) 次に市政一般について,中西正三君に発言を許します。中西君。 〔中西正三議員登壇(拍手)〕 ◆(中西正三君) 公明京都市会議員団を代表し市長並びに関係理事者に対し,京都市が置かれている重要課題,大まか数点について質問いたします。準備の関係上,少々早口で申し上げることになると思いますが,あらかじめ御了承願いたいと思います。市長,理事者におかれましては,市民に対する説明責任を持つ立場から誠実な御答弁をいただきますよう最初にお願い申し上げます。 この夏のうれしいニュースとして高校野球の京都成章ナインが甲子園で見事に準優勝を果たし,また平安高校も軟式野球で同じく準優勝を果たしました。本当におめでとうございます。京都成章の主将沢井芳信君は,春の悔しさをまず1勝することだとチーム野球に徹して春夏出場を果たし勝ち進んでまいりました。彼らの戦いは,その悔しさをばねにしながらも明るくさっぱりと戦い甲子園野球を吸収,成長し,1戦ごとに強くなって最終決戦まで進んだのであります。京都の郷里の皆さんを勇気付け清涼なる風を送ってくれるものでありました。 一方,この夏に実施されました政界夏の陣,参議院通常選挙であります。当初,自民党圧勝との予想を覆し,後半は野党の急進撃となったのであります。それは有権者が野党を強力に支持した以上に政府の迷走ぶりに危機感を持ったための選択であります。そして結果は自民党敗退,この京都選挙区においても議席を失い,自共指定席の一角が崩れたのであります。それに対し,不況に苦しむ社会的弱者の立場を尊重し一人一人の人間を大切にしようとヒューマニズムの政治と福祉,そして景気対策を掲げた公明は比例区過去最高の775万票を獲得し,おかげをもって参議院勢力では24議席を確保,自民,民主に次いで第3党の地位を維持し,キャスティングボードを引き続き握る重要な立場を与えていただいたのであります。ここに改めて御支援いただいた皆々様に厚く御礼申し上げるものでございます。 〔中野議長退席,宇都宮副議長着席〕 ◆(中西正三君) (続)今,世界そして日本は21世紀を前にして混沌とした状況になってきています。人は世紀末状態と言い,文明史的転換期とも言われます。冷戦後の世界情勢は決して戦争や紛争のない平和な世界へと進んでいるわけではなく,アメリカ大使館爆破テロ事件とその報復としての爆撃事件,北朝鮮によるミサイル実験と疑う無通告衛星打上げなど戦争に発展する火種は増加の一途であり,憂うるに余りあるものであります。識者は,今世紀は大量殺戮の世紀であると指摘しております。20世紀を顧みると,自己利益,自己中心主義を優先する余り競争社会を激化させ,大量生産,大量廃棄,大量破壊の社会を築いてまいりました。本来,近年のヒューマニズムは人間の自由,平等,博愛をモットーに人間解放を目指したにもかかわらず,多くの戦争,紛争による犠牲者は第1次世界大戦で約2500万人,第2次世界大戦で約5000万人,特に戦後50年間で約2000万人もの貴い人命と莫大な財産及び環境破壊をもたらし,更に貧しきストリートチルドレン,虐待に遭う子供,女性,2200万人に及ぶ難民,そして地雷による障害者,差別を受ける高齢者,少数民族,外国人労働者,ホームレスなど社会的弱者が急増してきています。21世紀へ今世紀のそのような人類の課題を残したまま移行させなければならないのでしょうか。20世紀における人類が生み出した文明の大きな負の遺産,負の課題を厳しくとらえ市民の意識改革と社会のシステムを変革し,21世紀が個の尊厳,平和,福祉を最重視する社会文化の創造を図るべきであります。せめて今世紀中にやり遂げておかなければならないものこそ,平和への基盤づくりと社会各層における民主主義の確立であります。世界の民族を超え,イデオロギー,宗教を超えて互いに世界市民としての信頼醸成を図り武力による紛争を超克しなければなりません。 日本にあっても民主主義の確立のために政治,行政に対する信頼確立並びに世界人類への貢献などは重要課題であると考えます。また政治家や官僚や銀行など各種の企業においても社会性を喪失し,もうかれば何をしても構わない,皆で渡れば怖くないという利己中心のあり方,すなわち存立の根本的哲学が問われているのであります。京都大学経済研究所長の佐和隆光教授は,京都市は文明転換の先駆的都市にと訴えられ,地域のことを考えながら地球のために自分のやれることをやろう,シンクグローバリー・アクトローカリーと掲げられ,来る21世紀はメタポリズム文明,新陳代謝文明として適正消費,極少廃棄,リサイクル,省エネルギー,製品寿命の長期化などを図り,これにより持続可能な経済発展ができ得ると示唆深く論じられております。そこでお尋ねいたします。市長におかれては,せめて今世紀にやり遂げるべき本市の課題について,その御所見をお尋ねいたします。 次に京都市が21世紀の最初の四半世紀を展望し,現在取り組み始めている21世紀・京都グランドビジョンについてであります。我が党として,この京都の21世紀へのビジョンづくりに際して独自に検討を重ねてまいりました。先週には公明京都市議団として,21世紀・京都グランドビジョンへの第1次提言にあたってと題し小冊子を市長にお渡しいたしました。私たちは21世紀への課題として,第1に少子高齢化社会の到来,情報と国際化,地方分権と住民参加を掲げ,次に21世紀ヘ京都の目指すべき方向として,新しい福祉文化とヒューマニズム創造の社会を目指し,第3に21世紀・京都のあるべき都市像として,人権文化創造の都市,福祉文化創造の都市,環境文化創造の都市,新産業創造の都市,ネットワーク型都市への脱皮を示し,第4に実現されるべき施策として,市南部地域の新たなまちづくりデルタ構想,国際長寿モデル都市構想,ともに生きることのできる地域社会の確立,母と子を守り育てる子育て支援の強化と環境整備,人と自然の共生したまちづくり京都エコポリス構想などを明示しております。公明京都市議団として,今後更に第2次,第3次提言を提出してまいりたいと考えます。今後のビジョンづくりに是非生かされるべきであります。市長におかれては,この提言についてどう受け止められているのか,併せて市民ヘの周知参画をどう図り,課題となっている市民的盛り上がりをいかに図られるのか,この点の御所見をお伺いいたします。 また広く世界から優れた提案を得るため,昨年,国内外から英知を求められ,国際コンぺ21世紀・京都の未来が開催され審査結果だけは発表されました。したがって国内外からの英知に刺激を受け,グランドビジョン策定へ各行政区のグランドビジョン審議や各種の論議に生かされるよう早急にまとめられるよう望むものであります。そのためにも膨大ではありますが,冊子やインターネット等を生かされるべきであります。お答えください。 次に鴨川歩道橋の架橋についてであります。市長は先月,パリのポン・デ・ザール橋をイメージしたデザインによる鴨川歩道橋の架橋計画を白紙撤回されました。市長は,市民の十分な理解を得られないままの着工は,市民と行政のパートナーシップにマイナスとなる。また全国の人々に歓迎されなければ真の日仏友好とならない。更に市政の無用な混乱を避けるために決断した等と表明されました。これは近年まれにみる政策変更であります。昨日も本会議で各種の発言がありましたので要点について述べ,市長の今後の取組について御見解をいただきたいと思います。今回の市長のポン・デ・ザール橋デザイン白紙撤回については,その教訓が3点あると言えます。第1には,市民に理解を求める努力を行ったが,結果的に説明不足となったことは否めないとおっしゃっているとおり,これまで行政が手続的にもまた法制上の準備も整え,良かれと思って進めても市民に理解が十分にされないという現実を考え,今後の市行政の推進にあって,市民のためにあることを心肝に染められ取り組まれるならば信頼ある桝本市政建設に役立つことになると考えます。しかし,市民の声とは一部の選挙対策として利用していくための運動ではなく,サイレントマジョリティ,声なき声をも把握していかなければなりません。行政の勇気ある見直しこそ今後の新しい市政の指針となるものと考えられます。 第2には,歓迎されなければ真の友好にならないとおっしゃったように,日仏間,姉妹都市間という友情を尊ぶ取組に対し混乱の中で押し切ることは確かになじまないものであります。しかし,この京都でのポン・デ・ザール橋問題で本市の状況を良く知っていただいたことは,かえって今後の友情を深めることとなるのではないかと考えます。是非これまで以上の交流と信頼を深めるよう秋の諸行事の成功と交流の実を上げていただきたいと願うものであります。 第3には,新たな景観審議に取り組まれるべきことであります。京都にフランスの橋は似合わないと反対市民団体の理由が掲げられていましたが,どのような橋を京都らしい橋というのか,これは特定するのに逆に難しいことになるのであります。前市長の労作としてまちづくり審議が行われ,北部と三山は保全,都心部開発及びJR線以南は開発という縦分けができておりました。しかし更にどこそこの景観等の位置の選定までは決まっていません。今回は鴨川と北山,東山の景観を望む場所でありますが,ここに限らず具体的な借景等を含めて,残すべき景観,よみがえらせるべき景観,作るべき景観を検討されるべきであります。以上3点の指摘についての御見解と橋周辺地域の課題ヘの取組及び架橋計画について併せてお答えください。 次に日本列島総不況と言われ,本市でのその影響と対策についてお尋ねいたします。先の11日,経済企画庁は今年の4月から6月期の国民所得統計速報を発表いたしました。同期の実質国民総生産は前期1月から3月に比べ0.8パーセント,年率換算で3.3パーセントもの減少を示しました。これは戦後4番目の大幅減少で初の3期連続マイナスとなり,雇用情勢の悪化や所得の減少を背景に個人消費も住宅建設も設備投資もそろってマイナスとなったのであります。今後も景気が急に回復する材料は見付からず,2年連続のマイナス成長となる見通しであります。今年の実質成長率は当初1.9パーセントであったため下方修正作業に取り掛かるとのことでありますが,このことが示している影響はこれまでの長期にわたる深刻な不景気が続くことであり,この京都市にあっても甚大な影響を受けていくことは必定であります。一方,株式もせんだって東証1万4000円を割り,今年最大の749円も下げ,世界同時株安が懸念されているのであります。既に企業のリストラなどで完全失業率は4月以降4パーセント台に悪化し続け,実体経済はますます収縮していく最悪の状況を示しています。堺屋太一経済企画庁長官は,日本経済は最も暗い時期,また今,脇を通りつつあり要注意の状態だとも述べています。先月以来のロシアのルーブル切下げ等による経済混乱でドイツ等の欧州経済も影響を受け変調を来しており,アジア不況の影響も浸透してきて,これまで好調だったアメリカや欧州が勢いを失えば株安の世界連鎖が一層起こりやすくなるのであります。 また同日に発表された京都銀行と京都経済研究所の景気動向調査8月分によると,京都市の企業の業況判断は93年の調査以来最悪の水準となったとのことであります。また製造業が全業種でマイナス,非製造業も和装,建設などでは一層色濃く低迷し景気は悪化傾向をたどるが底打ち感がうかがえないとしています。これは物価下落を伴って景気が加速度的に悪化するデフレスパイラルとおぼしき動きであり,今年度はかなりのマイナス成長になることは避け難いと佐和隆光教授は語っています。今,日本経済が抱える最大の癌は金融危機であり,その抜本的治療が求められ急がれます。そこで市長にお伺いいたします。市長は,この深刻な長期不況についてどのような認識をお持ちになり,いつごろに回復していくと見ていられるのか。また京都市民の生活や経済活動にどのように影響を与えてきているとお考えになっていられるのか,不況にあえぐ中小零細企業や商店への対応策についてお尋ねいたします。 次にこの不況が与える本市の事業への今後の影響についてであります。以下お尋ねいたします。その1は,地下鉄東西線の建設計画に合わせ乗客の増加対策として打ち出された5大プロジェクトの事業の中で,昨年秋に建設着工が予定されていたにもかかわらず松竹株式会社の社長更迭劇があったために注目されてまいりました二条文化施設についてであります。京都市の市街地西部における二条駅周辺整備事業を先導する新しい都市拠点の形成による都心部のにぎわいづくりを図り,情報による文化の継承と創出,情報産業の確立を図る二条駅西側の施設であります。起工式予定からはや1年がたちましたが,建設の見通しはいかがなのでしょうか。このビルの中には本市のまちづくりセンターや松竹映画会社によるマルチプレックスシアター,映画館12館が入るという日本最大の映画館の集合館であり年間100万人を超える観客が集まる予定となっております。しかし建設に掛かる資金105億円のための増資も京都市のメーンバンク2行ともに貸し渋り状態なのか進まず,不況の中,事業は立ち往生しているのであります。そのため地下鉄二条駅の需要予測1万6000人のところ平成9年平均1日7000人しか利用されず,地下鉄経営の将来に大きな影響を与えています。このままでは二条駅周辺整備事業を先導するどころか足を引っ張ることになります。事業を進めるにも撤退するにも不況の中,地獄であります。改めて見直しされるのか,明確な態度を示すべきときに来ているのではないかと考えます。 その2は,三条京阪の商業施設並びにまちづくりであります。都市計画決定を受け三条京阪の広場を約5倍にし,また商業用地を京阪電車の百貨店部門が開発し,東の地域は京都市として地域整備をしていくものであります。しかし不況の中での躊躇なのか,いまだに京阪の開発の動きが見えません。地下鉄東西線三条京阪の需要予測2万4000人に対し,平成9年平均1日1万9000人であり5000人もの不足を来しています。またどのような計画が進んでいるのか明らかではありません。 その3は,パセオ・ダイゴロー東館についてであります。醍醐団地総合再生事業の中核施設として,世代を超えた快適性を持つまちを開発コンセプトに地下鉄東西線関連事業と一体として総工費415億円を掛け,長谷工コーポレーションや平和堂等とともに本市が開発してきたものでありますが,西館は完成したものの東館の商業施設及び駐車場を中心とする施設は平成8年度から仕掛かり平成10年度に完成する予定でありました。ところが手付かずとなったままであります。そのため地下鉄醍醐駅の需要予測9000人に対し平成9年平均1日6000人であり3000人の不足であります。地下鉄延伸により六地蔵駅までつながると単なる通過駅となり,六地蔵駅近くの大型百貨店や二つの大型スーパーに客が流れ甚だ心配であります。 その4は,市役所前地下のゼスト御池であります。50の専門店から成る本市の都心部では初めての地下街であり,昨年の開業時の1日当たりの来場者数は約7万人であったにもかかわらず,本年8月では徐々に減少して3分の1にまで少なくなって閑古鳥状態と揶揄されています。その原因が当初予定していたファッション対象が若者過ぎることや京都駅ビルの商業施設の影響を受け売上げがダウンしてきているなどと伺っております。特にアパレル関係が大幅に影響を受けている状態であります。ナウイ若者レストランがはやらず,居酒屋が満杯状態でもあります。不況厳しい中,どのように生まれ変わり立て直されるお考えなのでしょうか。 その5は,山科駅の駅前開発としていよいよ来月にまち開きとなるラクト山科についてであります。総事業費883億円に上り,ようやく駅前の大開発が完成し,核テナントとして大丸百貨店やブライトンホテルなどが入り,今後の定着と発展が待たれます。しかし不況の影響か,一部テナントが入りきらず,ホテル施設を売却でなく当面は賃貸方式にするなどの変更があるとも伺います。地下鉄山科駅の需要予測2万3000人のところ平成9年1日平均は1万6000人の乗客であり,マイナス7000人もの落ち込みは深刻でありました。この地下鉄山科駅も,今後の六地蔵駅完成により利用客の減少を考えていられるのか課題であります。 その6は,京都駅南口の再開発ビル,アバンティであります。言うまでもなく京都駅ビルの影響をもろに受け,アパレル関係は40パーセントもの売上げダウンとなってきていると聞いております。これまでも不況の追い打ちに悩まされてきたと思われますが,もはや現状を維持することは不可能に近いのではないかと考えます。どのようなリニューアルを考えていられるのか課題であります。 そのほか金利や家賃の調整が付かず,用地選びが難航して宙に浮いている状態の食文化プラザ構想についても見通しはいかがでしょうか。今後の事業推進についてお示しください。またこのように地下鉄東西線関連プロジェクトが相次いで経済状況,不況の影響を受けるため,そのしわ寄せが本市の血税で埋め合わせることにならないか心配であります。そうした事業の遅れや運営上の対策についての問題もありますが,事業の推進にあっては見通しの立たない景気状況の中,改めて事業の勇気ある見直しが必要ではないかと考えざるを得ません。お答えいただきたいと思います。国の補助事業として支援されているものであっても事業主体の地方が独自の再評価システムで見直し,また時のアセスを考慮して長期計画の事業では既にその目的が変わってきているものなどがないかよく検討されるべきであります。バブル時代の感覚で計画されたものは,もう一度その必要性並びに緊急性を見直し,元気策についても対象とされるべきであります。この点も併せて御所見をお示しください。 次に,あと5年で築城400年を迎える二条城及びJR二条駅周辺整備について伺います。二条城については築城400年を目指し検討委員会で審議されております。若干の提案を含め改善を促したいと思います。現在,二条城は徳川慶喜のNHKテレビドラマの影響で土,日曜日は,これまで観光客が7000人程度であったものが1万人を超える入場者となってきています。大河ドラマと観光客との関係はよく言われるとおり比例していくことでありましょう。それだけに今年いっぱい二条城と京都を舞台に放映されるため,観光客の増加がしばらくは期待されるところであります。また世界文化遺産登録になり注目を受けているものであります。ところがこの二条城に年間130万人を超える入場者があるにもかかわらず,地元市民はわずか10万人弱しか来られていないのであります。史跡ではありますが,今後ますます市民に活用されるべき施設として検討されるべきでありますが,二の丸御殿に入らない方の安価な入場料金を考えられるべきであります。今後の二条城をどう生かしていくのかを課題として,史跡としての高度な保全地域と,そうではなく市民活用が可能な活用地域に区分してイベントなどを持たれてはいかがかと考えます。 先日報道されましたようにお堀の水がアオコで侵されたり,城内のトイレの一部に臭気漂うものがあり各所に修理や保全が必要な箇所があります。阪神・淡路大震災の揺れによる被害を機に基金など創設されてはいますが,各種の国宝の修理は多大な予算を伴います。支援の強化とともに,より入場者を増やすよう取り組まれるべきであります。そのため大手門から入り大手門より出ていくのではなく,西門又は南門を活用し外堀に架橋して通れるようにし,南側の神泉苑や二条陣屋,そして壬生の新撰組跡などの歴史観光施設とつなげていくことが検討されるべきであります。二条城南側の堀川通から大宮通間は押小路通に面した南側も二条城の土地であり,貸し付けていますがいよいよ返還されるのであり,この地域を二条城の修景とマッチしたものとして門前市場などと称し,地域商店街とも連動させ観光施設としての工夫を図ってはいかがでしょうか。更に二条城に来られた方の心をつかむことが大切であります。大政の奉還により日本の近代発祥の地となった歴史の舞台,この二条城を一際印象深く城内を見ていただくためにも説明解説室レクチャールームを設置すべきであります。また二条城は中京区民にとって震災時の広域避難場所2か所の一つであります。橋や門なども耐震規格で改修されるべきであります。これらの提案について御見解をお示しいただきたいのであります。 最後に市幹部や職員の不祥事に対する再発防止策についてお尋ねいたします。今年の3月には15項目の再発防止策と管理者責任としての処分,そして公務員倫理条例を考えていることを発表されました。その後,ごみ処理カード譲渡に係る収賄事件,暴力,覚醒剤使用事件等が続いております。9月に管理監督者を処分されたところであります。現在,国会の場で与野党が双方ともに法案を提出し,公務員倫理法案なるものの審議がされようとしております。一方,京都市も条例案づくりを検討されているとのことですが,国の審議待ちとなっていると伺います。その中で接待額や幹部職員の範囲などが云々されていると伺いますが,本市で起こっている不祥事などを再発防止するのに,どうして国の審議待ちとされ遅らされるのでしょうか。本市として独自に進め,後日法規制があればより厳しいものと比較しながら再度改正すればよいのではないでしょうか。また業者との癒着にならないために一刻も早く業務対応マニュアルを示されるべきであります。この際,市長の毅然たる精神を示されるとともに,この夏に実施されました公務員倫理感覚向上強化期間の成果についてもお示しください。 以上をもちまして質問を終えます。市長はじめ理事者が明確に市民に対する説明責任を果たされますよう重ねて要望いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(宇都宮壮一君) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼君) 中西正三議員の御質問にお答えいたします。 まず行政が今世紀中にやり遂げるべき課題についてでございます。20世紀の世界は,度重なる戦争からの復興と経済成長を経験する中で,環境破壊,社会的弱者の発生など多くの課題を生み出してきたことは御指摘のとおりでございます。京都市におきましても21世紀を目前にした今,極めて厳しい社会経済情勢の下,大きな岐路に差し掛かっております。このような中,私は,21世紀の飛躍へのかけ橋となるもっと元気に・京都アクションプランを策定し,京都市が今何をしているのか,21世紀までに何をしようとしているのかを広く市民の皆様にお知らせし,市政全般にわたり具体的な施策,事業の充実に努めてきたところでございます。今後ともこのアクションプランに掲げた216の事業を着実に推進し,21世紀京都のグランドビジョンにつなげてまいりたいと考えております。 次にグランドビジョンへの提言等についてでございます。先日,公明京都市会議員団から具体的な施策を盛り込んだ御提言をいただきました。ユニークな内容や将来の方向性などが示された大変な労作であり貴重な御意見と受け止めております。これまで市会各会派との意見交換,懇談会をはじめ様々な場でいただいております御意見,御提案と併せ,グランドビジョン,次期基本計画の策定に生かしてまいります。 次に市民アンケート,市民参加につきましては,これまでから3万人アンケート調査やテレビ討論会,更に100近くの各種団体の方々との意見交換会などを実施してきたところでございます。また今回設置する審議会も公開としたうえで公募による委員にも御参加いただくほか,市民公開討論会等により今後とも幅広く市民の皆様への周知と意見聴取に努めてまいります。 鴨川歩道橋に関する御質問にお答えいたします。パリ芸術橋の理念を生かした鴨川歩道橋建設計画をいったん白紙に戻すことにいたしましたのは,市民の皆さんとの緊密なパートナーシップで京都を世界一すばらしいまちにしていくために選択いたしました苦渋の決断でございます。今回の様々な議論をこれからの市政の推進に役立て市民とのパートナーシップをより一層大切にしてまいりたいと考えております。 次にフランス及びパリとの友好関係につきましては,フランス大使館を訪れ御説明申し上げよく御理解いただいたところでございます。この秋以降の京都パリ友情盟約40周年記念事業には多くの市民の皆様に御参加いただき,40年にわたって培われてきた揺るぎない信頼関係を更に深めてまいりたいと存じております。 景観対策につきましては,保全,再生,創造のそれぞれの地域に調和した施策を講じるなどめり張りのある景観形成を図ってまいります。鴨川歩道橋の架橋につきましては,都市計画決定もいただいており,地元の皆さんからも強い御要望をいただいているところであり,今後多くの方から愛され歓迎される橋づくりを目指してまいります。なお先斗町,木屋町地域の課題であります放置自転車や治安などの対策につきましても,これはこれまでから地元の皆さんや京都府警察本部の協力を得ながら精いっぱい取り組んでまいりましたが,引き続き全力投球してまいりたいと存じております。 日本経済は4月から6月期の国内総生産GDPが前期と比べて0.8パーセント,年率換算で3.3パーセントの減少となり,戦後初めて3四半期連続してのマイナス成長を記録し,個人消費の低迷,設備投資の落ち込みなどにより極めて厳しい状況に陥っております。世界市場の動揺や金融システム安定化の遅れなどから早期の景気回復は期待しにくい情勢であると分析いたしております。本市の中小零細企業におきましては,その経営環境は極めて深刻であると認識しており,長引く不況への緊急対策として本年8月から融資利率を0.2パーセントないし0.5パーセント引き上げる(後刻訂正)とともに,今回の補正予算におきまして金融対策預託金を追加し,新規貸出枠を635億円まで拡大することといたしております。 不祥事再発防止対策についてでございます。この度の一連の不祥事は市民の信頼を大きく裏切るものであり,今後こうした事態を再び引き起こさないという強い決意の下,倫理感の高揚と事務事業の再点検を行ってまいりました。その一環として検討しております倫理条例につきましては,公務員の倫理が国,地方を問わず共通する普遍的なものであり,整合性を図る必要があること,それからもう一つは,国の法案におきましても地方公共団体に対し国に準じた措置を求めております。そういうこともありまして国の動向を注視しているところでございます。しかしながら,これに先立ちまして関係業者との接触に際しての具体的な行動基準をこの秋に策定し実施いたしたいと考えております。またこの夏初めて取り組みました公務員倫理感覚向上特別強化期間中の研修につきましては,全職場で実施し,職員が自分自身の問題として改めて認識を深めたものと考えております。今後ともあらゆる機会をとらえて倫理観の高揚に努めてまいりたいと存じております。 以下,副市長,企画監が御答弁申し上げます。 ○副議長(宇都宮壮一君) 薦田副市長。 〔薦田副市長登壇〕 ◎副市長(薦田守弘君) 公共事業の再評価,見直しについてでございます。地方を取り巻く厳しい財政状況の下,地方分権時代,つまり自己決定と自己責任による市政運営が求められるこの時代におきましては,御指摘の公共事業を含めた事務事業につきましても,自治体の主体性の下に改めて評価する仕組みを作っていくことが限られた財源を有効活用するだけでなく,市民の皆様に対する説明責任を果たしていくうえでも大変意義あることと考えておりまして,今後他都市の事例等も参考にしながら鋭意研究してまいりたいと考えております。なお現在実施いたしておりますもっと元気に・京都アクションプランに掲げる具体的な施策につきましては,市長就任時に,21世紀を前にして今何が必要なのか,何ができるのかという視点で施策の総点検を行い,将来の京都発展のために不可欠な施策を掲げたものでありまして着実に実行してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(宇都宮壮一君) 中谷副市長。 〔中谷副市長登壇〕 ◎副市長(中谷佑一君) 二条城の運営整備について貴重な御提案をいただきました。二条城につきましては,平成15年の築城400年に向け学識経験者の方々に御参画いただき検討委員会を平成9年度に設置いたしました。この委員会におきまして緊急に行うべき整備事業,中長期的視点に立った整備計画,築城400年記念事業,二条城の有効活用の4点を中心にいろいろと検討を行っているところでございます。これらの計画の策定及び実施に当たりましては,当施設が国の指定文化財という一定の制約はありますが,御提案の趣旨を十分踏まえつつ,庭園の利用方法,利便性の確保など市民の皆様に親しまれる二条城となるよう着実に事業を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(宇都宮壮一君) 増田副市長。 〔増田副市長登壇〕 ◎副市長(増田優一君) まず京都二条文化施設についてでありますが,昨今の極めて厳しい社会経済環境に加え,本年1月に松竹株式会社の社長が交代されるという急激な事情の変更が重なり着工に至っていないのが実情でございます。御指摘のとおり二条駅周辺整備事業の早期完成を図るためには,当施設の着工につきましても早急に結論を出すべき時期に来ていると認識しており,引き続き松竹株式会社の新体制の関係者などと精力的に協議検討を重ねてまいります。 次に京阪三条の駅前広場整備計画についてでありますが,本計画は京阪三条駅地区の交通結節機能のより一層の強化やにぎわい空間の創出を図るために策定したものであり,平成9年8月に駅前広場や道路の都市計画決定を行ったところであります。現在この計画に基づき京阪電鉄と用地交換等の協議を進めているところであり,早期に合意を得て道路整備をはじめとした駅前広場整備に着手してまいります。また京阪電鉄が計画しております商業施設等につきましてもその具体化に向けて引き続き協議を進めてまいります。 次にパセオ・ダイゴローについてでありますが,本施設は地下鉄東西線の醍醐駅を中心とする醍醐団地総合再生事業の一環で整備を進めているものであります。公共施設や商業施設などから成る西館につきましては昨年3月に完成を見たところでありますが,東館につきましては,消費不況などの現下の厳しい社会経済環境によりいまだ着工できていない状況であります。このためパセオ・ダイゴローを整備,運営する京都醍醐センター株式会社において,施設内容,駐車場あるいは事業費の規模,採算性などについて現在見直しを行われているところであり,本市といたしましても引き続き関係者との協議を進めてまいりたいと考えております。 次にゼスト御池についてであります。本施設のうち地下駐車場はほぼ計画どおりの実績を上げているところでありますが,地下街につきましては折からの厳しい消費不況によりまして苦戦をしている状況であります。このためゼスト御池を運営する京都御池地下街株式会社において消費者のニーズに対応した品ぞろえの見直しや集客のための各種イベントの開催など積極的な販売促進活動に取り組まれているところであります。本市といたしましても御池通シンボルロード整備事業の整備促進を図るほか,市役所前広場においてこれまでから実施しております各種の主催イベントがゼスト御池の集客にもつながるよう配慮するとともに,会社に対しましても引き続き助言指導を行ってまいります。 次にラクト山科についてでありますが,本施設は山科駅前地区において多様な商業施設や分譲住宅,各種の公共施設などを配置するとともに,道路や駐車場等の整備を行い,若者から高齢者まで幅広い層の市民が集い楽しめる魅力あふれるまちとなるよう整備を進めてまいりました。今後とも地下鉄東西線の六地蔵までの延伸など周辺の商業環境の変化にも十分留意しながらラクト山科がより魅力的なまちとして発展していくよう努力してまいりたいと考えております。 次にアバンティのリニューアルについてであります。本施設は京都駅という大ターミナルに隣接するという立地条件にも恵まれ,昭和59年3月に開業以来着実に業績を上げてまいりましたが,昨年9月の京都駅ビルのグランドオープンによる急激な商業環境の変化や昨今の厳しい消費不況を踏まえまして,京都駅南口再開発株式会社において全面的なリニューアル工事に着手されたところであり,本年11月には完成オープンされる予定でございます。今回のリニューアルによりアバンティは個性的な物販店,ファッション,飲食中心の若者向けの都市型ショッピングセンターとして新しく生まれ変わることとなり,今後の発展に大いに期待しているところであります。 最後に食文化プラザ構想についてであります。この構想は京都商工会議所において平成7年以来検討が進められているものであり,京都の食の魅力を一堂に集めた商業施設として建設しようとするものであります。本市といたしましても,この食文化プラザ構想を念頭に置きながら,京の食の魅力を発信する食文化の拠点として食文化研究所の整備計画を進めております。この食文化プラザと食文化研究所を一体の施設として設置し,日本を代表する京都のすばらしい食文化の歴史と伝統を伝えるとともに,新たな観光商業施設として京都経済の活性化を図ってまいりたいということで取り組んでおりまして,今後とも京都商工会議所とも協議しながら,地域のにぎわいの拠点とする視点を持って設置場所を早期に決定し実現してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(宇都宮壮一君) 高木企画監。 〔高木企画監登壇〕 ◎企画監(高木寿一君) 国際コンペについてでございますが,世界各国から554点という多くの優れた作品が寄せられました。審査の結果につきましては,既に本年3月にシンポジウムを行い,併せて全作品の展示会を開催いたしまして多くの市民の方々の関心を集めたところでございます。今後更に多くの方々にこのコンペの成果を知っていただくために現在作品集の製作を進めております。近く発足いたします京都市基本構想等審議会におきましても,これを貴重な参考資料として活用してまいりたいと考えております。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(宇都宮壮一君) 暫時休憩いたします。 〔午前11時53分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(中野竜三君) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中野竜三君) この場合,市長から先ほどの中西正三議員に対する答弁中,一部訂正したい旨の申出がありますので,これを許します。桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼君) 答弁の訂正をさせていただきます。午前中の中西正三議員の景気対策に関する御質問に対しまして,不況への緊急対策として本年8月から融資利率を0.2パーセントないし0.5パーセント引き上げると答弁いたしましたが,0.2パーセントないし0.5パーセント引き下げるに訂正させていただきます。謹んでお詫び申し上げます。 ○議長(中野竜三君) お聞き及びのとおりでありますので,議長において措置いたします。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中野竜三君) 進行いたします。休憩前の一般質問を継続いたします。 次に市政一般について,柴田章喜君に発言を許します。柴田君。 〔柴田章喜議員登壇(拍手)〕 ◆(柴田章喜君) 左京区選出の柴田章喜でございます。午前の同僚中西議員に引き続き,公明京都市会議員団を代表いたしまして市政一般について質問いたしますので,市長並びに関係理事者におかれましては誠意ある答弁をお願いいたします。 最初に高齢者問題についてお尋ねいたします。本市の高齢化はますます進む一方であり,現状のまま推移いたしますと2025年には現在よりも人口が30万人減少して118万人程度になると見込まれております。そして65歳以上の高齢者は22万人から32万人へと増加し,総人口に対する割合も17.7パーセントから27.4パーセントへと増加すると試算されております。京都市は高齢社会対策を総合的に進めるに当たり,平成4年に高齢者の生きがい対策としての生涯学習と社会参加,地域福祉のネットワークづくりを柱とした京都市高齢社会対策推進計画を策定いたしました。しかし高齢社会対策のエネルギーの多くは高齢者保健福祉計画に基づく施設整備の推進とマンパワーの確保に注がれました。生きがい対策としての市民の組織づくり,ネットワークづくりは緒に就いたばかりと言っても過言ではありません。介護保険制度のスタートを1年半後に控え,保険制度の充実と併せて高齢者問題のソフト面の充実に一層取り組むときであろうと考えております。私たち公明は,国際的にも最も高齢化の進んでいる京都市のあるべき姿として,生きがいを持って健康に暮らすことができる社会として国際長寿モデル都市構想を提唱してまいりました。高齢者に対する尊敬の念を込めて長寿という名称を提案いたしましたところ,高齢者保健福祉計画に,また組織体制の中でも長寿社会部と名称が改められるなどして長寿都市創造に向けて少しずつ進みつつあります。高齢社会といっても単に高齢者施策を拡大すればよいというものではありません。高齢者とそれを支える世代すべてが互いに内面で触発し合う社会,今までのハード面の充実とともにソフト面の充実こそがポイントになってくると思います。ここでお尋ねいたします。今京都市はグランドビジョン策定に向けての準備作業を行っているところであります。私ども公明は去る9月11日,21世紀・京都グランドビジョン第1次提言として市長に政策提言を行いましたが,それをお読みいただいたところで21世紀への高齢社会対策に向けての御決意をまずお聞かせください。 次に介護保険制度について六つの観点からお尋ねいたします。高齢化の進展に伴って介護を必要とするお年寄りが年々増加しており,心身,経済的負担の重い介護を社会全体で支え長寿を目指したのが介護保険制度であります。この介護保険制度は国会において足掛け4年にわたり論議されましたが,未確定要素が多いまま当時の与党により昨年12月に強引に成立させられました。このため国民は,その内容において基盤整備の遅れ,マンパワーの不足等々で介護が受けられないのではないかといった不安,保険料を支払っているにもかかわらず40歳から64歳までの被保険者は,交通事故等で寝たきりになっても保険の適用はされないという不安,介護の認定は認定審査会が行い,家族の意見を聞こうが審査会が最終判断を行い調査結果については説明を求めることができないという不安,これら様々な不安は介護制度の根幹にかかわるものであるにもかかわらず,国はその解消のための努力を怠っているのみならず,自治体にその責任を押し付けているのはまさに政府の怠慢であります。このように市民にとって不安な状態のまま準備作業が進んでいるのでありますが,平成12年4月1日には本格的にスタートしていくわけであります。多くの課題を克服するためにあえて保険者である京都市に質問いたします。 一つ目はサービス基盤についてお尋ねいたします。本市は要介護高齢者問題に対応するため,国の新ゴールドプランに基づき平成11年度末を目標年度として京都市高齢者保健福祉計画を推進してまいりました。進捗状況の数値が示すとおり,ケアハウスと老人保健施設以外は高い数値を示しております。国では新ゴールドプランが目標達成したとしても,在宅介護サービスでは半分以上の人が介護を受けられない状態であると判断しているにもかかわらず,それ以上の取組は何もなく,まさしく保険あって介護なしの状態であります。今政府は新ゴールドプランの達成を最重要課題に置いて自治体に対する補助も積極的であると伺っておりますが,本市の場合,最終的にはどこまで達成できるのか明らかにしていただきたいと思います。仮に目標が達成された場合,介護が必要な方に対してサービスを十分供給することができるのかどうかお伺いいたします。 二つ目は介護認定にかかわる問題についてであります。この介護保険は認定のランクが高いほど給付の内容が重厚になる仕組みになっております。そのためどのような認定になるのか,本人及び家族,周囲の関心が高くなると予想されております。昨年の第1回モデル事業の認定を見てみますと,在宅,施設合わせて28.9パーセント,約3分の1に変更がありました。この主な理由は,1次調査以降の認定審査会における掛かり付け医の意見書による判断でありました。我が国の場合,掛かり付け医を持っている人はかなり少ないと思います。掛かり付け医がいない場合は市町村が指示する医師の診断を受けることになります。しかし,それだけでは日常の生活状態や体調を把握できるとも思えず,どこまで正確かつ公平な審査ができるか疑問であります。今までの福祉制度で介護を受けていた方が今回の新しい制度で対象外となる人も出てくるかと思いますが,結果として認定されなかった人たちにはどう対応していくのかお聞かせください。また実際認定作業をするのは自治体であります。京都市の場合,各行政区に一つ以上の介護認定審査会が必要だと言われております。そのため審査員として相当の人数を確保しなければならず,他のあらゆる機関との調整が必要だと思います。特に訪問調査についてケアマネジャー等に外部委託を行った場合,顔見知りであるという判断で公平な判定が阻害される事態が起こらないとも限りません。どのような対処の方法を考えておられるのかお示しください。 三つ目は不服申立てについてお尋ねいたします。ドイツにおいて介護保険がスタートした折,認定やサービスの不服をはじめ様々な問題が生じたと聞いております。我が国のこの度の介護保険制度でも同様の不服申立てが予想されますが,それに対しサービス提供機関,自治体,公益の三者で構成される介護保険審査会が都道府県に一二か所設置することができるとなっております。実際問題として府に1か所の介護保険審査会であらゆる問題を処理できるとも思えません。またサービスに対する苦情は,オンブズマン的な機能を担うとされる京都府国民健康保険団体連合会が対応することになっておりますが,これも数が少なく同じような状況ではないかと思われます。実際市民の方は区役所に直接苦情を寄せられると思いますが,京都市としても国に任せておくだけではなく自ら公平な機能を果たし得る万全の体制をとるべきであると思います。いかがでしょうか。 四つ目は低所得者対策についてであります。生活保護世帯は保護費ですべて支払われることになります。しかし保護基準よりやや上の低所得者層が一番大変です。仮に要介護度が最重度と認定された人の負担は保険料の2500円前後と1割負担の2万9000円で月3万円以上の負担を背負うことになります。これでは介護を受けたくても受けられないという事態が予想されます。この介護保険制度にも医療保険と同じように高額介護制度が導入されますが,その限度額については国に対し極力低く抑えるよう要望すべきであります。また聞くところによりますと利用料や保険料の低所得者層に対する減免について国は想定されていないようですが,このような場合,京都市としてどう対応していくのか明らかにしていただきたいと思います。 五つ目は京都市における単独事業についてであります。現在福祉サービスの中で行われている介護が保険制度の導入によりホームヘルプサービス,訪問入浴,訪問リハビリなど13種類の在宅サービスと特別養護老人ホームなど3種類の施設サービスのみになってきます。これらの項目から漏れるサービスが出てくると考えられますが,たとえ漏れたとしても福祉を後退させることなく必要なサービスは充実させていかなければなりません。今市民の間には配食,布団乾燥,移送のほかに福祉用具の貸与といった中身の問題に大きな関心が寄せられております。これらのサービスは本市独自の取組として行わなければなりません。その他の項目においても利用者の最大限の便宜を図るべきであります。この場合,当然のこととして財源確保の問題が出てきますが,国の補助を受ける際,制限付きの補助ではなく,本市が自由に選択でき,柔軟な形で利用できるよう国に対して要望することも含めて,本市独自としても積極的に取り組むべきであります。お考えをお聞かせください。 最後に準備体制についてお尋ねいたします。我が党は過日介護保険制度に関して研究会を開催し意見交換を行いました。この介護保険制度には被保険者の要介護認定,保険料の賦課徴収など様々な業務があり,国民健康保険制度に匹敵する大事業であります。市民の方々が安心して利用できるようにすることは本市の責務であり,電算システムの開発をはじめ万全の準備が必要であります。2000年4月までの残されたわずかな期間でこれらに対応するためには十分な体制が必要であります。他都市では既に区役所への職員配置も含めた取組を進めている所もありましたが,京都市はこの制度の導入に向けて十分な取組ができているのか,来年度の実施体制も含めてお考えをお聞かせください。 次に子育て支援についてお尋ねいたします。近年少子化の進行に拍車が掛かり合計特殊出生率が1.39人まで減少しております。少子化の背景として一般的には晩婚化の進行と未婚率の上昇があり,併せて経済的,肉体的,心理的負担の増大が指摘されております。中でも子育てに掛かる経済的負担は住宅費,教育費とともに大きな負担割合になっており,少子,高齢社会に対応した施策の充実が求められております。京都市会における乳幼児医療費支援事業の訴えは,92年私ども公明の高嶋議員によって先鞭を付けて以来,はや6年の歳月が経過いたしております。この間本市への要望あるいは国への要望など市民の若いお母さん方を中心として子育て支援への切なる思いを署名活動に託して今日まで要求を続けてまいりました。過日,京都府は乳幼児医療費を3歳児未満の通院まで拡大すると決定いたしました。そして京都市は,これを府市協調の立場から拡大実施に向けて本市会に議案提出を行いました。このことに対しては一定の評価をしたいと思っております。しかし敷衍して申し上げるならば,本市の独自性を発揮する意味も含めて府より一歩先行して取り組んでもよかったのではないかと思っております。この度の拡大により,この年齢の子供を持つ親御さんたちにとっては間違いなく朗報であり喜ばしいことであります。更に私どもは国への教育減税の創設の要望と併せて,本市へは少子化対策の一環として,子育て環境の改善の一環として更に就学前までの無料化を強く要求してまいりたいと思っております。 乳幼児突然死症候群,SIDS対策についてお尋ねいたします。今後更に高齢化,少子化が進む本市で交通事故や親の不注意などで大切な子供の生命をなくすということは決してあってはならないことであります。まして国あるいは自治体の努力で子供たちの命が救われるものならその努力を惜しむべきではありません。年間約600人の赤ちゃんが命を落とすと言われる乳幼児突然死症候群,SIDSは元気な赤ちゃんが眠っている間に突然亡くなってしまうというショッキングな病気であります。正確な原因は不明ですが,発生率と育児環境には一定の関係性があり,欧米諸国では10年以上前からうつ伏せ寝にしない,1人にしない,暖め過ぎないなどの予防キャンペーンを展開していると言われております。我が国は,公明の訴えにより本年6月に母子手帳に予防情報を掲載したり各種検診時に注意,啓発をするなどの対策を講ずるよう全国に呼び掛けました。本市は乳幼児突然死症候群,SIDSに対し根拠がもう一つ明確でないという立場をとっておられますが,全国で数多くの乳幼児がSIDSという理由で死亡しているという事実を前にして,本市の現状はどうなっているのか速やかに調査すべきであります。SIDS対策の取組方針についてお示しください。 保育問題についてお尋ねいたします。本年4月から児童福祉法の改正により保育所を自由に選択できる制度になりました。制度改正により人気保育園の集中による混乱など不安な要素がありますが,新しい制度での本格的募集は平成11年度の募集が初めてということになります。これから子供を産み育てようとする夫婦共働きの親御さんたちにとっての大きな課題の一つは,仕事をしている間誰が子供を見てくれるのかということであり,そんなところから乳児保育,夜間保育,延長保育,土日曜保育などの要求が高まっているのであります。今般中央におきまして,我が公明の強い訴えにより乳児保育の促進対策事業として100万円などの補助予算が拡大されたことにより乳児保育の環境が一歩前進いたしました。親御さんたちはもちろん保育事業に従事されている方々にとっても朗報であります。京都市におきましても少子化対策,まちの活性化あるいは市長がよくお話しになる京都に住んでいて良かったという観点からも若い親御さんたちへの支援,保育事業の環境整備の向上には更に力を入れていくべきであります。また保育所における障害のある子供に対する保育は巡回相談事業等様々な取組が行われておりますが,学童クラブでは,手の掛かる障害を持つ子供を前にしてほとんど適切な手が打たれていないとの声を聞いております。学童クラブへの本格的支援は今始まったばかりでありますが,学童クラブにおいても保母に対する専門的知識の提供及び必要な援助は行うべきであります。民生局長にお尋ねいたします。 教育問題についてお尋ねいたします。近年多発している少年犯罪及びいじめの問題とそれを取り巻く諸問題はショッキングなものばかりであり,我が国の将来に暗い影を落としております。子供の社会は大人社会の反映と言われるように,大人の姿そのものなのでありましょう。今年5月に左京区で起きた中学生暴行致死事件は地元住民の一人として,また中学生を子供に持つ父親の一人として身につまされる思いでありました。事件の当事者の方々はもちろん,大人も子供も近隣の方々も心に大きな重荷を持つことになりましたが,同時に私たち大人が子供たちを育てるための親としての責任のあり方,いじめ問題,暴力の問題,家庭における子供とのあり方等々親子を取り巻く教育問題に対して目を開く機会を与えられました。 今学校嫌いの子供たちが増えております。1年間に30日以上休んだ生徒は全国で約10万人,京都市内で約1000人で,ここ近年増加の傾向にあります。子供たちが学校を拒否する理由はいろいろあるでしょうが,端的に言えば,おもしろくないからと指摘する声があります。反面,子供を甘やかせてはいけない,将来のために常識,知識といったものを身に付けなければいけない等々といった考え方もあります。しかし,結局は興味がないものを続けさせられる子供たちにとっては苦痛以外の何ものでもなく,それに耐えられない子供が保健室登校や不登校に走らざるを得なくなるというのが現状ではないのでしょうか。本市教育委員会では,不登校はどの子供にも起こり得るという観点に立って不登校対策委員会の設置,山のおじさん等の開催,各学校における教育相談,永松記念教育センターにおけるカウンセリング等々種々の取組が行われております。しかし,ここで私が危惧いたしますのは,結果を焦る余り,結局一刻も早く学校に戻す方向のカウンセリングになりはしないかということであり大変深刻な問題であると受け止めております。 そこで教育長に不登校問題についてお尋ねいたします。不登校児に対する特別対策も必要でありますが,もっと根本的なことは,学校からこれ以上不登校の子供を出さないということではないでしょうか。そのためには子供たちの心を引き付ける魅力ある教育が必要であります。生徒自身の心の中から湧き出るものを引き出していく教育,すなわち内発性の促進であり多様性の容認であると思うのです。一つの答えで子供を評価するのではなく,その子供の考え方をも評価する子供の存在価値を高める教育に積極的に取り組むべきであると思います。具体的には体験学習や選択科目をもっと活用するということであります。すなわち子供たちが興味を湧き起こす素材を選択肢として用意しておくことであります。それがひいては子供たちが覚えた,あるいは身に付けたものを自分のものとして活用,発展させていくことに通じていくのであります。そのためには歩みが遅くとも豊かな感性を育てていくという教育観の転換も必要になってくると思います。温もりのある教育などが叫ばれる折柄,早急に取り掛かっていただきたいと思います。教育長のお考えをお聞かせください。 併せて親御さんたちの中には義務教育だから仕方がないが学校に子供を預けるのは心配だ,少年時代から受験競争にかき立てられるのは問題だなどというように現在の教育に不安を隠さない方々がたくさんおられます。今我が国の教育問題が根底から問い直されようとしている中,地方分権の推進とともに,今後地方行政における教育委員会の果たす役割は大変重要になってきていると思われます。折しも本年は教育委員会発足50周年,市制100周年の佳節を迎え,自治体における特色ある教育を発揮するにふさわしい年でもあります。今一番求められているのは心の教育であります。先の国会で学校教育法の一部が改正されたことにより,各自治体の判断で中学と高校を一つにした中高一貫教育も実施できることになりました。この制度は受験競争の低年齢化が危惧されるところでありますが,ゆとりの中で子供たちに生きる力をはぐくむための教育としては大いに考える価値があると思います。本市としての中高一貫教育についての基本的な考え方をお聞かせください。 次に,ことばの教室についてお尋ねいたします。その前にここ近年私ども公明の要望を受け小中学校の育成学級が拡大されたことに対し,障害児を持つ親御さんたちから歓迎の声をいただいていることをお伝えしておきます。この育成学級と並行して行われていることばの教室は全市255人で市内22校の小学校に設置されております。この教室に通う子供たちは1回1時間の指導を週2回程度受けるために本来の授業を抜け出して通っております。そのための所要時間が3時限ないし4時限分の時間が掛かるため,授業内容の問題も含めて高学年になるほど本来の授業を抜け出すのが困難になってくるとの声を聴いております。このことばの教室の拡大については,国の事業あるいは本市の財政難等々理由は様々ありましょうが,育成学級同様障害児教育の一環としてきめ細かな推進を行っていくべきであります。今後の取組について御答弁をお願いします。 上水道のダイオキシン対策と水道局の危機管理についてお尋ねいたします。ダイオキシン対策については,5月市会に同僚議員から本市の取組姿勢及びその調査,発生を防ぐためのごみ減量対策などの観点から指摘いたしました。その後の取組として市内5地点で一般大気汚染の状況調査を年4回,環境庁のダイオキシン類緊急全国一斉調査として京都市域の大気,土壌,水質の調査への協力を行うことを決定したところであります。このダイオキシンを含めた化学物質は,体内に入ると生体が本来持っているホルモンと同じような働きをし,生体を攪乱したり精巣,乳癌などの誘発,精子減少などの生殖異常といった影響を及ぼすとのことであり,人類の存続という観点からも世界的に強い懸念が表明されております。更に恐ろしいことに,この種の化学物質は猛毒のダイオキシンなどのほかに指摘されているだけで70種類を超え,食器や容器,包装,合成洗剤,医薬品,プラスチック材料をはじめ日常生活のあらゆる分野に入り込んでいると言われております。国では我が党の指摘により今年度当初予算として初めて対策費が計上され本格的調査が行われるところですが,本市としては人間の生存にかかわる問題であり大きな懸念があると推測されているのですから,国への協力という姿勢だけではなく多少費用が掛かったとしても積極的な実態調査を率先して行うべきではないでしょうか。京都市民の命を守る水について,本市はダイオキシンは水に溶けにくい性質があるから大丈夫であるとの考え方に立っておりますが,市民の方はそうではありません。ダイオキシン及び一連の環境ホルモン類に対する情報もかなり行き渡ってきており大きな関心を持っておられます。そこで水道局は原水のダイオキシン浮遊状況及び底地の現状調査を速やかに開始すべきであり,また今後の問題として専門的な技術員がいないのなら早急に招き入れるなどダイオキシンに対する監視体制を作るべきであると思いますがいかがですか。併せて国で行われる下水処理場における環境ホルモン対策としての水質調査及び工場,家庭排水の水質検査の実施計画と市民への発表はどのような形で行われるのかお示しいただきたいと思います。 最近和歌山県及び新潟県で起きた毒物混入事件及び市内から発見された毒物入り容器事件に見られるように毒物に対する関心が高まっております。これらは不特定多数の人間に対する無差別犯罪であり,平和な社会を乱すテロ行為で市民に対する挑戦以外の何ものでもありません。当然のこととして事前に阻止できる体制あるいは被害を最小限に抑える体制を確保しなければなりません。本市水道局は,無差別犯罪を阻止するための予防対策とその危機管理体制を市民に明らかにしていただきたいと思います。以上で私の質問は終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(中野竜三君) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼君) 柴田章喜議員の御質問にお答えいたします。 21世紀の長寿社会に向けた決意についてでございますが,私は,長寿を誰もが真に喜び合うことができ,長寿者をはじめすべての市民が健やかで安心して暮らせる社会でなければならないと考えております。不老長寿は人類共通の願いであります。不老はとにかくといたしまして,長寿は政治や行政の非常に重要な目標の一つでもございます。アメリカが70年,フランスが114年を要した高齢社会を日本はわずか24年で達成いたしました。京都市の65歳以上の人口比率は,本年9月現在16.3パーセントと我が国を代表する全国の大都市,政令指定都市の中で北九州市に次ぐ長寿都市でございます。世界の誰もが経験したことのないこの超高齢社会に対応するために福祉,保健,医療の総合的な施策の充実はもとより長寿者の生きがい対策を積極的に進める一方,子育て支援や障害者福祉の充実,支え合う地域社会づくりなど多元的な取組が必要でございます。私は,この度の公明京都市会議員団の皆様の労作であります貴重な御提言をも踏まえ,目睫の間に迫った21世紀の京都が世界に類を見ない明るく元気いっぱいのすばらしい長寿都市となるよう市民の皆様とともに全力を挙げて取り組んでまいります。 以下,副市長,管理者,教育長,局長が御答弁申し上げます。 ○議長(中野竜三君) 薦田副市長。 〔薦田副市長登壇〕 ◎副市長(薦田守弘君) 介護保険制度についてのお尋ねでございます。まず本市におきますサービス基盤の整備についてでございますが,これまでから高齢者保健福祉計画の着実な推進ということをアクションプランのひとの元気策の中心に位置付けいたしまして,各施設,施策など目標の達成に向けて鋭意努力を重ねてきております。その結果,一部を除いてほぼ達成の目途が立ってきたと考えておりまして,引き続き計画の達成に向けて努力を続けてまいりたいと考えております。なお現計画後の平成12年度以降につきましては,市民の方々のニーズなどを踏まえて平成10年度と11年度で策定いたします介護保険事業計画の中でサービスの必要量を明らかにし,その供給体制も定めてまいります。 次に要介護の認定についての御質問でございます。正確かつ公正な要介護の認定ができるように,本市におきましては昨年度は左京区で,今年度は全区,支所でモデル事業を実施いたします。またこの認定の結果,現在サービスを利用されている方が自立と判定された場合には介護保険給付の対象外ということになります。このような制度の移行期におきます施策のあり方につきましては,給付の対象外となります高齢者の方の生活実態等を踏まえ対応策の検討をしてまいりたいと考えております。 次に要介護認定のための訪問調査についてでありますが,介護保険法において市町村は指定居宅介護支援事業者又は介護保険施設に委託することができることになっております。また委託を受けた事業者の役員や調査員は,当該業務に関して知り得た個人の秘密を漏らしてはならず,罰則の適用については公務員とみなされるなど厳格な規定となっております。本市におきましても訪問調査の持つ重要性を踏まえまして,調査員に対する定期的な研修などを行いますとともに,委託者として調査の公平性の確保に万全を期してまいります。 次に不服申立てに対する体制でございますが,法律上要介護の認定等に関する不服申立ては,京都府の設置する介護保険審査会が,またサービス事業者に対する苦情については,国保連合会がそれぞれ処理することになっております。しかしながら保険者であり市民に最も身近な窓口であります区役所や支所に苦情や不服申立てに関する相談が多く持ち込まれることが予想されます。このため本市といたしましても京都府や国保連合会とも協議調整を行い,不服申立てや苦情相談に対する本市の役割を的確に果たしてまいりたいと考えております。 次に介護保険制度におきます低所得者対策でありますが,国におきましては第1号被保険者の保険料を所得段階別保険料とすること,あるいは食事の標準負担額などについて低所得者に配慮することなどを制度に盛り込んでおりますが現時点では一般的な低所得を理由とする保険料や利用料の減免は想定されておりません。本市といたしましては,保険料や利用料の負担が低所得の方々にとって過重な負担とならないように引き続き国に対して要望を続けてまいりますとともに,今後国の考え方が明らかにされる中で他都市の動向なども踏まえて本市としての対応について検討してまいりたいと考えております。 次に配食サービスあるいは移送のサービスなど基本的に介護保険制度の給付対象に入らないサービスについてでありますが,国におきましては介護保険制度を補完する事業として補助制度が残されるものでございます。また市町村の特別の給付として実施することも可能であります。いずれの場合におきましても財政負担が伴うものでありまして,今後国の動向や高齢者のニーズ調査の結果を踏まえ,また高齢者保健福祉施策の全般を再構築していく中であり方について検討するとともに,必要な財政支援につきましても国に対して要望してまいりたいと考えております。 次に介護保険実施に向けての体制についてであります。本市では本年4月民生局に準備室を設置いたしますとともに,6月には福祉行政推進会議の中に介護保険専門部会を設置いたしまして事務の処理システムあるいは事業の実施体制などについて検討を進めております。また介護保険事業計画策定委員会を6月に設置いたしました。現在要援護高齢者の実態調査を実施するなど介護保険事業計画の策定に向けた取組を進めているところでございます。一方,被保険者の資格管理や保険料の賦課,収納など介護保険制度で発生する膨大な事務処理につきましても検討を進めておりますが,来年度は区役所,支所の体制整備を図り介護保険制度の円滑な導入に向けて今後とも全力を挙げて取組を進めてまいります。 次に乳幼児の突然死症候群対策についてでございます。平成9年度に国の乳幼児死亡の防止に関する研究におきまして,本市も含め全国的な規模で実態調査を行い,うつ伏せ寝,人工栄養保育,保護者などの習慣的喫煙によって発症の可能性が相対的に高まるという報告がされております。国におきましては,これらの情報の普及,啓発が重要であるという観点から発症を予防するための方策として母子手帳への記載やパンフレットを作成することといたしております。本市におきましても乳児健康診査などの母子保健事業の機会を利用して知識の普及,啓発を実施しているところでございます。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 松井民生局長。 〔松井民生局長登壇〕 ◎民生局長(松井珍男子君) 学童クラブについてのお尋ねについてお答えいたします。学童クラブにおける障害のある児童の受入れにつきましては,平成2年度から運営費を加算いたしまして受入れを開始し,平成4年度からは専門職員による巡回指導を行うなど受入体制の充実に努めてきたところであります。現在109名の障害のある児童が登録されております。また職員に対しましては,障害のある児童の処遇等を主要な研修テーマに位置付けまして職員研修を実施するとともに巡回により個別の児童の状況を踏まえた指導を行っております。今後とも現場に対する専門的知識の提供や援助の一層の充実に取り組んでまいりたいと思っております。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 清水公営企業管理者。 〔清水公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(清水浩君) 原水のダイオキシン調査に関連します問題につきましてお答え申し上げます。水道水の安全確保につきましては,常日ごろから細心の注意を払いまして取り組んでおるところでございます。しかしながら環境中のダイオキシンの存在が重大な社会問題として水道水の安全性に及ぼす影響が危惧されておりまして,現在,国をはじめ各種の機関で調査,研究を始めております。本市におきましても他の都市と連携を図って調査,研究を進めてまいります。なお国の環境ホルモンに関する調査は河川及び下水道の実態調査を目的として行われております。本市では鳥羽処理場と伏見処理場の2処理場を対象に国と共同で調査を進めておりまして,この結果につきましては年内に公表される予定であります。また水道原水の危機管理体制につきましては,疏水沿線のパトロール,毎日の水質検査及び24時間の自動監視等を実施するとともに,配水池などの施設管理におきましても万全を期しているところでございます。なお昨今の社会情勢を深刻に受け止めまして,一層の監視体制の強化に努めまして市民の皆様に安心して飲んでいただける水の確保に最善の努力をしてまいります。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 﨑野教育長。 〔﨑野教育長登壇〕 ◎教育長(﨑野隆君) 不登校の子供を出さない魅力ある教育についてでありますが,御指摘のとおり子供の多様性を容認し内発性を促進することが大切であります。本市においては小中学校において子供の興味,関心にこたえ,自発性を育てるため花背山の家等における体験活動やボランティア教育,環境教育等の取組を進めております。また中学校においては生徒の興味,関心に対応した選択履修の幅の拡大等教育内容の改善を進めてきており,今後とも一人一人を大切にする教育を通して子供たちに豊かな感性を育てるよう取り組んでまいります。 中高一貫教育についてでありますが,6年間を通した継続的でゆとりある教育の中で一人一人の個性や能力の伸長を図り,生きる力の育成を目指すものとして国において法的整備が行われたものでございます。しかしながら具体化に当たっては受験戦争の低年齢化を招かないかとの指摘があるほか,通学区域の定め方や入学者の決定方法など多くの克服すべき課題があり,課題克服に向けた学校運営や教育課程の編成について国の動向に注目しつつ,他都市の事例も参考にし慎重に研究を進めてまいりたいと考えております。 次に,ことばの教室についてでありますが,障害の特性から通級により週2回程度発音を正しくすることなどの特別な指導を行っており,対象児童が全市域にわたっていることから時間軽減を図るため,できる限り交通の利便の良い22の小学校に設置しているところであります。その設置に当たっては指導時間数を根拠とした国の教員配当基準があり,増設することは困難な状況にありますが,養護育成教育充実の観点からこうした基準の改善について国や京都府に対し積極的に要望してまいりたいと考えております。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中野竜三君) 次に市政一般について,加藤盛司君に発言を許します。加藤君。 〔加藤盛司議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤盛司君) 京都市民クラブ,中京区選出の加藤盛司であります。2期8年間で10回目の代表質問になります。また昨日から8番バッターでありますが,桝本市長さんをはじめ理事者におかれましては,傍聴に来られている方,またテレビを見ておられる市民の皆様に分かりやすい答弁をされますことを要望いたしまして質問に入ります。 今,社会に最も不安を醸し出している毒物混入事件について京都市としての取組について質問を行います。夏休みに入った7月25日,子供たちをはじめ誰もが楽しみにしていた地域の夏祭り,それを一瞬にして奈落の底へ突き落とす事件が発生したのです。何者かがカレーライスに猛毒の砒素を混入し,それを食べた多くの人々が砒素中毒にかかり4名の貴い命を奪い去ったのです。断じて許すことのできない卑劣な犯罪であり一刻も早い犯人逮捕を望むところであります。またそれ以後同様の事件が続発し,長野ではスーパーの陳列棚に底から毒物を混入した飲料缶が置かれ,それを飲んだ方が亡くなるという最悪の無差別殺人となっています。今も連日のように模倣事件が続発し,一昨年夏のO―157と同じように食べ物を口に入れることに恐怖を感じる人も少なくないでしょう。21年前にも同様な事件がありました。電話ボックスに置かれた飲みさしのコーラを高校生など2人が飲んで死亡した事件を契機に同様の事件が続発しました。21年前の場合は,その中のある事件で犯人が逮捕されたことで事態は終息に向かいました。今回も犯人逮捕が事件続発の阻止に最も有効な手段であります。しかし現段階ではそこまで至っておらず,犯人逮捕は警察にお願いするとしても,京都市としても対策の強化が必要だと考えます。 そこで数点お尋ねします。1点目は,消費者やスーパーに対し事件に巻き込まれないように,また未然に防ぐために啓発の強化が必要ですが,取組状況をお答えください。2点目は,不幸にして事件が発生したとき,和歌山市の事件で指摘があったように,まず消防,警察,医療機関との密接な連携が必要ですが,どのようになっているのでしょうか。3点目は,薬事行政は基本的には京都府の管轄であると思いますが,市立病院及び他の医療機関での毒物の検査体制の強化と解毒剤の常備体制はどうなっているのでしょう。薬物被害に遭ったとき毒物を確定することが的確な治療につながりますが,解毒剤は有効期限が短く日常ではほとんど使用しないので無駄になることが多く医療機関では余り常備していないと聞きます。緊急時に医療機関に迅速に届けられる体制が必要ですが,どのようになっているのでしょうか。 さて今年は東北地方,北陸地方をはじめ梅雨明け宣言がなされないまま夏が過ぎ去り8月初旬の新潟地方,また下旬には東北地方南部,北関東地方を中心に記録的な集中豪雨が降り,多くの貴い人命が失われました。亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに被災地の皆様にお見舞いを申し上げる次第でございます。集中豪雨の原因についてはテレビなどでそのメカニズムが説明されていました。また隣の中国では日本を上回る豪雨が降って多くの方が亡くなり,あるいは家を失ったと報道されています。近年,異常気象が常態化し,もう異常気象でない年が珍しいようにも感じます。エルニーニョ現象が消えた途端,台風の発生が少なくなりました。まさしく地球が危ないのです。21世紀まであとわずか,新しい世紀に向け大切な地球を守り,とりわけ京都の人と自然をはぐくんできた山紫水明,美しい環境を市民みんなで守り,ともに生き,次の世代に引き継いでいく必要があると思います。地球の未来について,今私たちは大きな岐路に立たされ重大な決断と実行を求められています。このまま私たちが現在のライフスタイルを固守し続けるならば,二酸化炭素の排出量は増え続け,地球の温暖化が進み,2100年には地球の気温は2度上昇し,その結果,平均50センチメートル海面が上昇し,また海面から蒸発する水分の量が多くなることにより,今年のような集中豪雨が増えるとともに砂漠などの乾燥地帯では反対に乾燥地域が周辺に広がっていくと言われています。今回の集中豪雨も地球温暖化と無関係ではないとも考えられます。また気象だけではなく生物の生態系にも大きなひずみを生じさせていると言われています。こうした状況の下,昨年12月この京都において人類はもとより地球の存亡をかけた地球温暖化防止京都会議が開かれ,169の国と地域から1万人もの人々が参加し人類の歴史に残る京都議定書が採択されました。京都市は,こうした歴史を画する世界的な会議が開催された都市として先進的に環境問題に取り組み,京都から地球環境を守るための行動を世界に発信していく重要な役割を担っていると考えます。もとより京都市では地球温暖化防止京都会議に先駆けて環境基本条例や美化推進条例を制定し,行政と市民,事業所などが協力して美しい京都のまちと自然と環境を守っていく取組も進められています。また昨年7月に策定された地球温暖化防止計画では,京都会議で決定された温暖化の原因となる二酸化炭素の削減目標を大幅に上回る10パーセント削減を2010年までに達成することとして,京のアジェンダ21や京都市役所エコオフィスプランをはじめとする行動計画が策定され,市民参加により市民,事業者,行政のパートナーシップを築き,共同して地球環境問題の解決に取り組む体制が整いつつあることは評価するところであり,今後とも京都市は全庁挙げて環境先進都市づくりを推進していただきたいと強く期待するものです。 そこでお尋ねします。今年12月には地球温暖化防止京都会議から1周年を迎えます。この1年間の取組とその成果,また1周年を契機とした今後の一層の取組の強化についてお答えください。また自動車に代わって自転車の利用を市民の皆さんに呼び掛けるならば,自転車が安心して走れるような道路整備や駐輪場の設置箇所を増やすなど行政がしていかなければならないこともたくさんあるように思います。具体的な取組もあれば併せてお答えください。 さて,今日もこのように和服で登壇いたしました。特に今回は黒の紋付袴で参りました。市長も公式の場でよく黒の紋付袴を着用されており,着物の都市の市長として大変深い御理解をいただいていることに心から敬意を表するものであります。和装振興については今まで幾つもの提案をしてきました。教育現場での着付教室の実施や副読本の作成,着用機会づくり,業界に対する特別融資の実施,市長も和装産地の代表として数多く着てほしいなどと幾つもの具体的要望,提案をしてまいりました。和服が似合うまちづくり,和服を着ていて得するまちづくり,気軽に和服が着られるまちづくり,そんな和服のまちの宣言をしてはどうでしょう。京都のガイドブックを開いてみると,よく見るのが舞妓さんに変身してみませんかという記事です。本物でない,いわば偽の舞妓さんがまちを歩くことについてはいろいろな意見があります。しかし京都に行って舞妓さん姿が似合う,また和服で歩いていても奇異に感じない,修学旅行などで男子生徒も和服を着て歩ける,そんなまちに京都がなればいいなと思うのは私一人でありましょうか。 そこで今回も和装産業の振興を目指して幾つかの具体的な提案をしたいと思います。まず着物を着て得するといえば,本市の行っているクラシック音楽への招待事業があり,ほかにも京都染織青年団体協議会が行っている夏に浴衣を着てパープルサンガを応援すれば入場料が安くなるなどの事業があります。そこで京都のまち全体がもっと着物を応援する取組を考えたらどうでしょう。例えば着物でレストランに行けばワインのサービスが受けられる,食堂に行けば1割引き,お土産物屋に行けば粗品がもらえるなど,いわば着物サポーターショップを募集し,その店には京都市の公認ステッカーを張ればいかがでしょうか。店にしてもサポーターショップになることで新しい客層の開拓になればともにメリットがあり,まち全体が活性化すると考えます。もちろん二条城など京都市の施設も率先して参加すべきでしょう。 次にいかに着物を買っていただくか。平成6年度全国消費実態調査報告によると,1年間に洋服関連商品を購入する世帯は98.6パーセントで1世帯当たり平均2万1919円を支出しています。ほぼ全世帯が2万2000円近く使っていることになります。一方,和服関連商品を購入する家庭は5.7パーセントで平均は2万6637円となっています。浴衣などを含めても19軒に1軒しか購入しておらず,全世帯平均で考えると和服に支出する額はわずか1500円余りで実に洋服の16分の1であります。なぜ和服を買わなくなったのか,やはり洋服に比べて高いからではないでしょうか。休日に出掛けるときに洋服を着るような感覚で着物が着られる,結婚式や成人式など特別なとき以外にも着ることができる,そのためにはやはり関係者が努力して値段を安くできるよう京都市としても支援できることはないでしょうか。また女性に比べて購買力の低いのが男物の着物です。最近業界も男物の着物の低価格化など販売に力を入れておられますが,新たな購買層の開拓も重要だと考えます。京都市の支援についてお答えください。 和装振興を洋服で議論する議会かな。米沢市や府内の加悦町では今年3月に着物議会を開きました。我が京都市会においても毎年初めて開かれる本会議には着物を持っておられる同僚議員の皆さん1人でも多く着用されたらいかがでしょうか。 最後に公共工事の入札制度についてお尋ねいたします。最小の投資で最大の効果が得られるよう常に努力していかなければならないことは言うまでもありません。そのため会計法や地方自治法では公共工事の入札,契約方式は一般競争入札方式すなわち誰でもが入札に参加できる方式が原則とされています。しかし,入札の参加者が多数あると,入札事務が煩雑になったり不適格な業者の参加も予想されるため発注者にとって不利になるということで例外措置として指名競争入札が認められています。明治以来100年間,我が国の公共工事の入札は例外である指名競争入札制度が一般的な方法となっています。しかし,近年この指名競争入札をめぐり,この方式の指名手続の不透明さが汚職の誘因となり,また業者間の談合を生じさせるおそれもあるということで内外から改革の必要性が指摘されてまいりました。特に平成5年度には地方自治体首長をめぐるゼネコン汚職が相次ぎ,またアメリカ大統領に就任したクリントンが対日攻勢を強める中で指名競争入札制度の閉鎖性を採り上げ,透明性,客観性,競争性を高めなければならない状況になりました。これを受け,平成8年度より政府調達の自由化としてWTO世界貿易機構協定への移行が決定され,制限付一般競争入札方式すなわち一定の資格要件を満たした者は誰でも入札に参加できる方式や公募型競争入札方式,技術提案総合評価方式などが導入されたのです。これらの改革の目的は,手続の透明性,客観性,競争性の確保に努めることです。京都市においても入札制度の見直しをされてきたところでありますが,より一層の改革をすべきであると考えます。先週の10日には,京都府は入札額が最低制限価格を下回った場合に工事施行が可能か否かを審査する低入札価格制度の対象を現行の一般競争入札方式の24億3000万円以上に加え,公募型指名競争入札方式5億円以上にも広げると発表しました。京都市も検討すべきと考えます。お答えください。 また談合防止に有効とされるのが予定価格の公表であると言われています。予定価格の入札前の公表,落札後の公表,先週には市長の不祥事があった東大阪市で,入札前の予定価格だけでなく最低入札価格も公表し入札を実施いたしました。本市も当然改革を行うべきと考えます。お答えください。 次に建設業者が公共工事の入札に参加する場合は,建設大臣又は都道府県知事による経営事項審査,通称経審を受ける必要があります。公共工事の発注者すなわち自治体は,経審の結果を参考としてそれぞれの基準による資格審査を行い,その評価に基づいて業者の格付を行っています。経審制度は,建設業者の企業力を適正に評価するための制度であり,資格審査の透明性,客観性を高める,また国民から見て分かりやすい制度とすることなどを基本的な考えとしています。この経審を参考に発注者が格付を行い,ほとんどの自治体が業者本人に通知又は一般に公表しています。そのことで透明性,客観性を高めることになると考えます。残念ながら本市はまだ格付を公表していませんが,実施すべきと考えます。お答えください。 その他公共工事のコスト縮減対策としてVEすなわちバリューエンジニアリングの導入や新しい発注方法としてDB,デザインビルド方式などが注目されつつあります。最小の投資で最大の効果を上げる,そして開かれた市民に分かりやすい入札制度になるよう再度申し上げて,私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(中野竜三君) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼君) 加藤盛司議員の御質問にお答えいたします。 まず毒物混入事件対策についてでございます。御指摘のとおり,このような事件の際には関係機関相互の緊密な連携が不可欠でございます。そのため事件後,直ちに本市の保健局,それから消防局,そして京都府警の三者による有機的な連携と協力体制確保のための協議を進めてまいりました。その結果,患者の救急搬送,治療や被害の拡大防止対策,また原因究明など不測の事態に的確かつ迅速に対応できる体制をより一層強固なものにすることができたと確信いたしております。今後とも命と人権が大切にされるまちづくりの実現のため市民生活の安全確保に万全を期してまいります。 地球温暖化問題についてでございますが,本問題は緊急に解決すべき人類最大の課題の一つであると認識しております。昨年12月,歴史に残る京都議定書が採択された重みを深く受け止め,世界をリードする地球環境保全の施策を進めていかなければなりません。本市では,その行動計画であります京のアジェンダ21,これは御承知のとおり丁度1年前の昨年10月に策定いたしましたが,この京のアジェンダ21の推進を図っておりまして,市民,事業者,行政が参加する組織であります京のアジェンダ21フォーラムを本年11月には立ち上げ,更に取組を強化してまいりたいと考えております。またこの12月にはこども市会での提案などを盛り込んだ1周年を記念する様々な事業を展開してまいります。今後とも京都会議の開催を契機にはぐくまれてきた市民の皆様の取組の輪を一層広め,真の豊かさと新たな活力を生み出す環境先進都市を目指し積極的に取り組んでまいります。 以下,副市長,局長が御答弁申し上げます。 ○議長(中野竜三君) 薦田副市長。 〔薦田副市長登壇〕 ◎副市長(薦田守弘君) 毒物混入事件に関してでありますが,本市におきましては,現在のところは食品等の毒物混入事件は発生いたしておりません。しかし,このような事件の発生を予防するためにスーパーなどの販売施設に対しまして,今月の4日から保健所の食品衛生監視員によります監視指導を強化いたしておりますとともに,営業者に対しては食品の自主的な点検を徹底していただいております。そういう中で異常のある食品の発見,排除に努めているところでございます。またこれから秋の文化祭や運動会のシーズンを迎えますので,模擬店などに対しましても衛生面のみならず毒物などの混入防止について指導強化を図ってまいりたいと考えております。 次に毒物等の検査体制についてでございます。故意に青酸や砒素などの毒物が混入された疑いがある場合には,京都府警において検査を行っているところでありますが,本市でも衛生公害研究所において検査を実施することができます。解毒剤につきましては,市立病院においてシアン化合物及び砒素化合物解毒剤をはじめ殺虫剤,除草剤などの特異な中毒の処置薬を常備いたしております。また和歌山での事件発生後,直ちに市内の主要病院の聴き取り調査を行い,薬の常備状況を把握いたしました。更に緊急時に解毒剤の迅速な提供が受けられるように医薬品会社とも連携を図っております。今後とも関係機関との連携を強化したうえで万全の対策を講じてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 中谷副市長。 〔中谷副市長登壇〕 ◎副市長(中谷佑一君) 入札制度の関係についてお答え申し上げます。まず低入札価格調査制度は,これまでから競争入札等一部の工事について適用してまいりました。この制度の拡大について今日までいろいろ検討の結果,入札参加者の企業努力及び低い価格での落札を促進するという効果があるため,市長部局,交通局及び上下水道局の各発注機関とも本年10月から設計金額5億円以上の建築工事,設計金額5000万円以上の舗装工事,設計金額1億円以上の土木その他の工事について低入札価格調査制度を適用してまいります。またその結果についての公表も行ってまいります。 次に予定価格の公表につきましては,本市の競争入札の公正及び適正な執行の確保を図るため設置しております入札制度検討委員会において検討を重ねてまいりました。予定価格の事後公表につきましては,入札制度の一層の透明性の向上を図るため,市長部局,交通局及び上下水道局の各発注機関ともこれも本年10月以降に入札する工事について実施したいと考えております。予定価格の事前公表につきましては,御指摘の点も踏まえ他都市の実施状況も見極めつつ実施に向けて引き続き検討してまいります。 次に等級格付の業者本人への通知及び公表についてでございます。御指摘のとおり経営事項審査は,経営規模,経営状況,技術力など企業の総合力を客観的な基準によって審査するもので,国又は府が全国一律の基準で行っております。本市の等級格付につきましては,現在客観点数である経営事項審査点数を重視した格付に移行すべく取組を進めているところであり,今その経過措置期間中にあることから直ちに通知等を実施することは困難でありますが,この経過措置の実施状況を見極めながら今後とも入札制度の透明性,客観性,公正性を確保するため格付の通知等をはじめとした改善に努めてまいります。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 西口産業観光局長。 〔西口産業観光局長登壇〕 ◎産業観光局長(西口光博君) 和服のまち宣言,京都のまち全体が着物を応援する取組についてお答えいたします。本市では,これまでから着物を着る機会づくり,着物姿が映える場づくり事業や着物文化の普及事業,更には小学生を対象とした着物文化の継承事業等に取り組んでまいりました。また今年度は着物を着る機会づくりの新たな取組といたしまして,今までのきものでクラシックに加え,着物姿で気軽にジャズとトークを楽しんでいただく事業を計画しているところでございます。今後の事業を進めるに当たりましては,議員の御提案の和服のまち宣言の趣旨に沿って京都のまち全体が着物を応援する取組となりますよう着物関係業者以外の観光事業者,地元商業者の皆様方に事業への参画,協力を呼び掛けるなどより積極的に展開してまいります。 引き続きまして着物の新たな購買層の開拓についてお答えいたします。本市の和装産業は,国民のライフスタイルの変化等によりまして需要が減退する中で新たな着物ファン,購買層の開拓は大きな課題であります。最近,御指摘のように業界において特に次代を担う業界の若手の方が中心になりまして安い着物,低価格を目指した男物着物の開発やデザインを広く一般から公募され,若者の感性を生かした着物づくりの研究等が進められております。本市といたしましては,このような新たな取組に対しまして参画,支援するとともに,新たな購買層の開拓につながりますようにでき上がった商品の宣伝普及に業界と一体となって積極的に取り組んでまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中野竜三君) 次に市政一般について,梅林等君に発言を許します。梅林君。 〔梅林等議員登壇(拍手)〕 ◆(梅林等君) 私が市議会に籍を転じてから丁度10年目を迎えました。そして本会議質問も今回で10回目となります。今,その節目,区切りとして,この間の質疑内容を改めて総括,検証しながら,その後の時間経過,社会状況の推移の中で時のアセスメント的に理事者の認識の変化の有無について数項目質問していきたいと思っております。 8年前の1990年6月市会で高騰を続ける土地問題,地価問題について質問しました。当時の状況を想起するためにその一部分をリピートします。それは我が国の戦後最悪の経済不況をもたらした今日の経済状況の根源的な原因が何にあったのか,市民生活,地方財政に深刻な影響を与えている今日の結果を招いたその真の原因を正確に把握するためであります。8年前のそのリピートの部分ですが,この土地の問題は人口50万人以上の大都市の中で最高の上昇率にある京都市においては,特に強い関心を寄せて当然だと思います。そうした意味で土地問題は,消費税問題よりも市民生活上なお一層大きな問題であり,90年代最大の政策課題としてとらえられなければならないと考えます。さて日本の土地価格は,人々の驚きを通り越して暴騰を続けていますが,それは74年ごろの日本列島改造論によって一挙に上昇したときの倍以上の上昇率になっています。最も大きな要因は,金融政策の総元締である日本銀行が異例の自己批判をし,既に世論から厳しく指摘されていますように,やはり金融機関や生保,ノンバンク系などの余剰資金力の動員による土地投機に対する融資,特に企業に対する巨額の融資であります。近年の地価上昇に合わせて,これらの貸付残高が増えている事実から相関関係は明らかであり,その額は銀行の不動産向け融資残高が45兆円に達していること,ノンバンクを含めるとまさに90兆円に上り,生保関係を含めると更に巨額になるのであります。かつて土地は,本来担保には不適当とされ評価額の半分以下の担保価値しかなかったのでありますが,今や最良,最強の担保物件になっています。 この質問当時の日本の土地総額は2000兆円と試算され,実に世界中の土地の値段の60パーセントを占めるまでになっていたのであります。そして銀行は膨大な利益を上げていたのであります。高度経済成長と護送船団方式の中でまさに狂奔という言葉どおりの金融機関の企業,個人資産家に至る不動産取引への過大な融資があの狂乱地価を生み,経済システムを破壊し,まちの文化や伝統,社会秩序をも崩壊させ,住民の連帯感,人の精神構造までゆがめてしまったのであります。モラルハザードの風潮は,このとき既に醸成されていたのであります。 そして,ようやく総合政策推進要綱が閣議決定し,地価税の法律ができるなどして急激にバブル経済がしぼみ,その反動で一挙に経済不況が始まり,銀行はバブル期に企業に借入れを急膨張させた見返りとして,銀行全体としての不良債権額は国内総生産の20パーセントにも及ぶ100兆円を超える状態になり,信用不安を巻き起こし今日の状況を作ったのであります。まさに自ら招いた重大な結果であります。 更に私の質問から8年,バブル経済崩壊後の我が国経済は,景気は緩やかな回復過程にある,日本経済は自律的回復過程にあるという政府,経済省庁の発表の背後で金融機関の相次ぐ破綻,株価の下落,企業の連鎖倒産,雇用情勢の悪化とまさに戦後最悪の経済危機に襲われていたのであります。そして,このまま放置すると日本経済は完全に破綻し,日本発の世界恐慌の引金になる可能性が確実だとする結論を突き付けられ,この結果としての付けの清算がいや応なしに国民負担となってきているのであります。これまでの総額60兆円プラス今回の16兆円の経済対策,新たな国民の負担増9兆円,そして金融機関の不良債権償却原資として,企業の延命策として公定歩合の史上最低の年0.5パーセントへの引下げ,この超低金利政策も緊急避難,臨時異例の措置のはずが3年も続き,年金生活者など家計の金利収入が約5兆円目減りし,92年から5年間の家計利子の所得減少額は29兆3000億円に達しているという試算もあります。そしてこの敬老の日の15日,更に金利が引き下げられました。 バブル経済形成原因の検証もなく,崩壊後のツーリトル・ツーレイトの政策的な判断の誤りや先送りに対する責任追及もなく,そのうえ先進諸国からも再三指摘されているように,日本は経済大国になったが,その経済力を国民の生活の質を高めるために有効に使うべきだと言われるほど,豊かさ,ゆとりが感じられない国民生活の実態。89年9月のバブル最盛期の本会議で私は初めての登壇で,急激な経済成長は,国民生活から確かに古典的貧困は取り去ったが経済の量的拡大が市民生活の質の向上,市民一人一人の生活福祉につながっていない。日本の経済発展は生活抑圧型だと申し上げましたが,市民生活を取り巻く現在の状況は,当時よりかなり深刻化し悪化の一途をたどっています。自己破産,自殺者,犯罪件数の増加,サラ金より悪質なシステム金融が横行するような事態を現出しているのであります。何よりも市民の暮らしを守るべき立場にある市長は,この状況分析,認識をどのようにされているのか。そして市民生活を守るためのセーフティーネットとしての対策をどこに打たれたのか,まずお尋ねします。 次に地方財政に関連する問題として未曾有の不況,不景気の現在の経済状況による企業業績の悪化,倒産,失業者の増加,所得の減少,個人消費の低迷などによる市民税への影響,地価下落による固定資産税への影響などを考えますと,京都市の財政も多大な影響を受けているはずであります。また政府の総合経済対策に応じて公共事業の追加実施や地方単独事業の追加等の対策を講じていかなければならず,更に特別減税の実施や恒久的減税の検討も進められており,このような一連の経済対策により市債残高が過去最高に膨れ上がり,市の財政がますます厳しい状況になることが大いに懸念されます。今回の特別減税や経済対策において,地方への財政措置がどのようになされているのか,改めて説明を求めるものであります。 次の質問は地方分権についてであります。1993年2月市会で私は全質問時間を地方自治,地方分権の確立について一点に絞った質問に立ちました。それは当時まだ私の浅い議会経験の中で,身近な自治体に対する市民要望が3割自治の壁に阻まれ,市民の不満が自治体に向けて蓄積されていく3割自治の限界を強く感じたからであり,予算配分のいわゆる箇所付け等に顕著に見られる利益誘導,利益分配型の古い従来型の陳情政治がまかり通っていたからであります。その手法を基に中央省庁主導の行政施策が行われていたからであります。これが続発する中央省庁の不祥事件発生の舞台装置にもなっていたのであります。そして,その市会最終本会議で他会派の皆さんの賛成,同意を基に地方分権の推進を求める意見書が採択される運びになりました。 この地方分権推進に関する本会議発言は京都市会で初めてだったようで,地元紙の論評にも,まだ遠い地方分権という見出しで当時の市長,2人の助役のいずれの答弁に対し,一極集中の弊害は十分認識した内容だった。しかし国への遠慮からか,正面切って地方分権が是非とも必要とまで言い切るだけの迫力にはやや欠けた。国の権限の強大さとともに地方分権への道のりのまだ遠いことを痛感したと書かれていました。そして,その市会最終本会議で採択された地方分権推進に関する法律の制定等の意見書については,意見書の精神を十二分に酌み取って,この点ばかりは行政,議会が手を携えて国へ強力に迫ってほしいものだと締めくくった記事になっていました。 それから2年後の95年7月に世論が背景となって地方分権推進法が施行され,同時に財界,学識経験者,自治体関係者等をメンバーとする地方分権推進委員会を総理府に設置,この8月,10月に予定されている第5次勧告に向けた第2次試案がまとめられるに至りました。また5月に,政府は地方分権推進計画を閣議決定し法令の改正作業に入ることになっています。地方分権はスローガンの時代から現実の課題として2000年の実現に向けてそれなりに進展しつつありますが,しかし,肝心の権限と税財源の移譲については中央と地方の間にかなりの確執があることが憂慮されるし,特にこの時点,中央省庁を取り巻く政治力学など現実の力関係の中でその中身の濃淡が懸念されるところであります。 こうした状況の中で,自治体側の動きは一部の地方分権推進に熱心な首長を除いて極めて鈍いのではないかと感ずるのであります。単なる要望の段階にとどまっているのではないか。地方分権が国際的に通用する新しい国家像であるという強い認識を地方自身が持たなければ真の地方分権を実現することはできませんし,また策定作業中の壮大な京都市のグランドビジョンも地方分権が確立しなければその実現はほとんど困難であると言えます。地方分権推進のための京都市としての決意をこの時点で改めて確認しておきたいと思います。 そしてこのほど分権に向けて庁内ワーキングチームが設置されたとのことでありますが,分権が単に中央政府からの権限,税財源の移譲という範囲で考えられていては小型の中央政府の域にとどまってしまいます。分割された同質の地方政府は,地方分権本来の姿とは言えません。京都市が描く独創的な地方政府構築のコンセプトこそが求められているのであります。アカウンタビリティ,パブリックコメント,パブリック・インボルブメントの採用はもちろんのこと,政策形成,意思決定過程への市民参加,市民セクターの市政参加等市民の政府という視点と京都市のかたちの方向付け,この基本理念をどのように描いているのか述べていただきたいと思います。 次に3年前,95年11月市会でドメスティック・バイオレンスと言われるパートナーからの女性に対する暴力問題とその緊急避難所シェルター設置の必要性について発言しました。その中で93年,国連での女性への暴力撤廃宣言の採択,同年のクリントン米大統領の家庭内暴力自覚月間の宣言,95年世界女性会議の最重要テーマの議論,反女性への暴力国際デー,世界人権デーと女性への暴力に反対するキャンペーン月間等,10人に1人の女性がパートナーからの暴力にさらされている現状,アメリカでのドメスティック・バイオレンス関連法の制定,千数百か所のシェルター設置,カウンセラー,法律的なアドバイザーの配置,韓国やヨーロッパの熱心な対応策等について説明し,行政として今悲鳴を上げSOSを出している女性に救いの手を差し伸べるべきだと発言しました。 そのときの理事者の答弁ですが,夫婦間の暴力問題などにつきましても相談者にアドバイスいたしますと同時に,必要に応じて福祉事務所あるいは京都府の婦人相談所など関係機関との連携をとりまして対応を図っているところでございます。これからもこれらの機関と十分連携をとりながら悩みを持っておられる女性に対して的確に対応してまいりますと同時に,暴力被害者の保護体制につきましても引き続き調査研究の課題としてまいりたいと思っておりますということでした。行政用語で,引き続き調査研究の課題としてというこの表現は,行政の中ではどのランクに位置付けされているのか,今後の参考としてお尋ねしておきたいものであります。その後,この問題について調査研究が引き続き行われているとすれば当然分かることでありますが,最近このドメスティック・バイオレンス問題,以下DVと言いますが,社会的な問題として大きく採り上げられるようになってきました。関連書籍の相次ぐ出版,新聞各紙,各テレビ局の報道もそのことを反映しています。最近の新聞のスクラップでもこのように採り上げられておるわけであります。 その後も96年12月政府が策定した男女共同参画2000年プランにも家庭内暴力を含む女性へのあらゆる暴力の根絶に向けた取組が盛り込まれていますし,昨年11月の参議院の質疑で,このDV問題で担当国務大臣は,緊急やむを得ない場合の一時保護や社会復帰のための支援は極めて重要,今後地方公共団体やNGOが運営する相談,救援施設との連携を深めるとともに女性シェルターの実態を把握して支援策を検討したいとの前向きの答弁をしています。もちろん十分ではありませんが,必要性を認めるということでは,引き続き調査研究の課題としてという京都市の理事者との認識の差を感ずるのであります。今年の厚生白書も採り上げていますし,この8月厚生省は,夫の暴力や面会の強要を避けたいとする母子に対して,遠隔地の施設に入所できるよう都道府県の関係部局長に徹底を通知。また昨年夏,東京都が行った日常生活における女性の人権に関する調査の結果が今年5月に報告されていますが,女性3人に1人が言葉の暴力を含めて何らかの被害を受けているという深刻な状況を浮き彫りにしています。札幌市では98年度予算に女性に対する暴力の実態調査の予算を計上し,調査研究,啓発,リーフレット,冊子の配布を行います。また兵庫県伊丹市や大阪の市民団体はDV調査を行い,神戸でも今年5月,医師,カウンセラー,弁護士等による日本DV防止情報センターの調査も行われました。この秋に開かれる人権擁護大会でもテーマとして採り上げられます。大阪では民間の力によってシェルターが復活し,堺や京都の弁護士会は相談電話を開設しました。このようにDVに対する認識は深まってきています。 1970年代に既に取り組まれてきた欧米各国の施策と我が国の取組の差は余りにも大きい。ドメスティック・バイオレンスには幼児,高齢者虐待の問題も含まれますが深刻な問題であります。私はかつて女性総合センターが建設されるとき,旧建物のれんがの外壁を残すために数億円掛かっていることを指摘したことがあります。予算の使われ方すべてについて問われる問題であります。この10月30日に総理府男女共同参画室の主催で,女性に対する暴力の根絶を考えるフォーラムが開催されます。私も参加を予定しています。セクハラ問題をはるかに超えるこの深刻なDV問題に対する京都市の理事者の認識に今も変化がないのかお尋ねしておきたい。 次に水道水を蛇口からそのまま飲む人は4人に1人という最近の調査があります。ミネラルウォーター,浄水器,整水器の利用が急増しています。この傾向を消費者の嗜好の変化,高級化,多様化と見るのは一面的に過ぎます。水道水は人の全生活,健康,生命に直接的にかかわる問題であるだけに市民の不安感の増大と軌を一にしていると分析することの方が自然であり正確であります。これまでは原水に含まれる有機物の汚濁度を示すCOD,BODの指標,カビ臭対策が水質管理の主体であったのが,今は油流出事故などによる水質事故の多発,病原性微生物クリプトスポリジウムや浄水過程の消毒副成物として発生するトリハロメタンなどの有害物質,発癌性が疑われる変異原性物質,酸性雨,それにダイオキシンに代表される化学物質いわゆる環境ホルモンの問題など水質汚染原因の範囲が拡大,深刻化しつつあることに加え,かつてのサリン事件,現在の無差別の毒劇物混入事件等の不安要素に対する,無防備の子供を守る,家庭を守るという市民の自己防衛意識の顕在化だと言えると思います。 確かに現在はかつての水道水の安全神話はほころび始め,水道水がリスクを負うことは回避できない状況にあるという事実認識を共有しなければならない時代になっていると言えます。それだけに水道事業者は水質汚染に対する監視,検知,発見,除去,通報,広報体制など危機時に迅速に対応できる危機管理体制の強化,確立に努めなければならないことはもちろんでありますが,今日の時点で少なくとも現況について市民に問題点,課題等も含めて情報的に明らかにする必要があると思います。水道事業者として法律等に定めてある水質の基準値をクリアしているというだけでは,新しいリスクが次々と伝えられる状況の中では市民の不安,不安から生ずる不信を消すことはできないからであります。外部情報による漠然とした不安の中に置かれている市民にとっても,そのことが情報知識としていざというときの判断に役立つことがあると考えるのでありますが,この点についての考えを述べていただきたいと思います。私の質問は以上であります。(拍手) ○議長(中野竜三君) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼君) 梅林等議員の御質問にお答えいたします。 まず土地問題等についてお話がございましたが,おっしゃるとおり平成元年度の我が国の土地総額は,経済企画庁によりますと2365兆円であったということでございます。今日ではそれが4分の1から5分の1になったのではないかと推測されております。また平成2年度,この年からバブル経済が崩壊し始めたわけでございますけれども,このバブル経済崩壊前の東京証券取引所の株式総発行価格は611兆円であったということでございます。これが本年5月には302兆円になってしまったということで,一説によりますと学者の仮説でありますが,この東京株式市場の差だけでロシア一国全土が買えるという大変な値下がりであります。我が国の今日の経済の低迷,混迷は,まさにこういった数字にも如実に証明されていると思っております。先生の土地問題,更には実体経済への分析,洞察につきましては敬意を表したいと存じます。 日本経済は個人消費の低迷や設備投資の落ち込み,更には金融システム安定化の遅れから極めて厳しい状況に陥っておりますのは先ほど申し上げたとおりでございます。本市が四半期ごとに実施している経営動向実態調査におきましても,企業景気,生産販売量,経常利益の主要3指標がいずれも5期連続して下降しており,中小零細企業の経営環境は誠に厳しいものと認識いたしております。そこで中小企業の皆さんがこの不況を乗り越えられるよう本年8月から融資利率の引下げを実施いたしました。資金繰りが悪化しているとする中小零細企業が増えていることから資金調達を円滑化し景気回復の一助となるよう0.2パーセントないし0.5パーセント引き下げたものであります。また総額691億円に上ります今回の補正予算におきまして,中小企業金融対策預託金として128億円を追加し,新規貸出枠を635億円にまで拡大することといたしました。更にベンチャー企業の創出や商業観光振興など幅広い経済振興策を展開することにより,私たちの子供や孫たちがこの京都で豊かに生活し,しっかりと活躍できる元気な京都を実現してまいりたいと考えております。 地方分権の推進についてでございます。私は,本年4月に国の地方分権推進委員会におきまして指定都市を代表して意見を申し述べました。そこで最も強く申し上げたのは,人とまちが輝く都市づくりを推進していくためには地域の自己決定権の拡充が是非とも必要であるということでございます。そして更に付け加えましたのは,東京都を含めまして我が国の政令指定都市に26パーセントの人口が集中しておるわけであります。国民の4人に1人が大都市に集中しておる。しかし我が国の大都市が軒並みにどうも元気がない。こういうことでは我が国全体の均衡ある発展も大事だけれども我が国全体が沈没するのではないかということを強く申し述べました。しかも5月に政府が閣議決定した地方分権計画では,機関委任事務制度は廃止されたものの権限移譲は決して十分なものではありません。また財源の移譲について具体的に踏み込んだものは示されませんでした。また御指摘のとおり,現在の地方分権を取り巻く状況は決して楽観視できるものではなく,今後予定されております地方分権推進委員会の勧告も後退が懸念されるところでございます。私は,21世紀に向けて個性豊かで魅力あふれるまちづくりを実現するためには,明治維新,戦後改革に次ぐ第3の改革と位置付けられた地方分権を何としても推進していかなければならないと考えております。そのためには本市は地方分権推進の先導的役割を担うべく引き続き最大限の努力を重ねてまいる所存であり,国にも強く意見を申し述べてまいりたいと思っております。 次に本市における地方分権の基本理念についてでございます。地方分権の目的は,申し上げるまでもなく個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現によって真の地方自治,住民自治を確立することにあります。地方分権の推進に当たっての本市の基本的な考え方といたしましては,京の町衆による自治の伝統の再生をコンセプトとして,これまで京都を支えていただいてきた市民と行政とのありように学び,これを21世紀の分権型社会にふさわしい形に再構築することであると考えております。こうした理念に基づき本市が今後取り組むべき課題を整理し,全庁を挙げて施策を計画的かつ着実に実施するための行動計画であります本市独自の地方分権推進計画を策定していく必要があると考えまして,庁内にワーキングチームを発足させております。この中で御指摘いただきました様々な市民参加の手法等も参考にし,京都市のオリジナルな計画の策定など今後とも地方分権の推進に向けて積極的に取り組んでまいりたいと存じております。 以下,副市長,管理者が御答弁申し上げます。 ○議長(中野竜三君) 中谷副市長。 〔中谷副市長登壇〕 ◎副市長(中谷佑一君) まずこの度の総合経済対策における地方への財政措置についてでございます。今回の総合経済対策は,最近の我が国の経済情勢を踏まえ,経済の活性化や21世紀を見据えた社会資本の整備等を目指し,バブル経済の崩壊後,これまで数次にわたって行われてまいりました経済対策と同様,今回もその円滑な実施に資するよう国の施策として所要の地方財政措置が講じられているところでございます。その内容といたしましては,まず特別減税の実施に伴う市民税の減収につきましては全額減税補填債により補填されることになっており,その元利償還についてはすべて地方交付税により措置されることとなっております。次に公共事業や地方単独事業の追加実施に係る財源対策といたしましては,臨時特例の措置として総額で4000億円の地方交付税の増額措置が講じられたところであります。また地方債につきましても充当率の引上げや弾力的運用が行われており,これらの地方債については後年度の元利償還に対して地方交付税措置が講じられることとなっております。本市といたしましては,今後とも財政の硬直化を招くことのないよう公債費管理には十分に留意し,事業の実施に際しては可能な限り有利な財源の確保に努めてまいる所存でございます。 次に女性に対する暴力についてでございます。御指摘のような家庭内暴力をはじめとする女性に対する身体的,心理的な暴力は,女性の人権を侵害する深刻な問題であると認識しております。本市では,平成9年3月に第2次京都市女性行動計画を改定し,新たにあらゆる形態の女性に対する暴力への対策の強化を重点推進事業に掲げ取組を進めているところでございます。現在,京都市男女共同参画懇話会におきまして女性に対する暴力の実情を把握する中で被害女性の保護体制のあり方など鋭意調査研究しているところであります。また今年12月発行予定の女性問題啓発グラフ誌Eフラットでドメスティック・バイオレンスを特集テーマとして採り上げ市民啓発に努めてまいります。今後とも国の動向等も踏まえながら女性に対する暴力への取組を進めてまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 清水公営企業管理者。 〔清水公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(清水浩君) 水道水の安全確保の問題についてお答え申し上げます。市民の皆様に毎日安心して安全な水を飲んでいただくために水道水の安全確保につきましては常日ごろから細心の注意の下に取り組んでおるところでございます。しかし,御指摘のとおり近年ダイオキシンに代表される環境ホルモンや毒劇物の混入事件に見られますように飲用水に対しましての社会的不安が生じており,水道事業者といたしましても深刻に受け止めておるところでございます。水源でございます琵琶湖の水質につきましては滋賀県等におきまして監視がされておりますけれども,本市でも疏水取入口での水質自動監視装置による24時間監視をはじめ疏水路及び浄水場の巡視や定期的な水質検査体制をとっておるところでございます。また現在,国を中心に本市をはじめとしまして他の事業体とも連携いたしまして未規制微量化学物質等についての調査研究を進めておるところでございます。いずれにいたしましても,安全な水道水を供給することは私ども水道事業者の当然の責務でございます。今後市民の皆様の水道水に対する不安を払拭するためのPR等を一層強めてまいる所存でございます。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中野竜三君) 暫時休憩いたします。 〔午後2時56分休憩〕 〔午後3時21分再開〕 ○副議長(宇都宮壮一君) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(宇都宮壮一君) 休憩前の一般質問を継続いたします。次に市政一般について,天方晶英君に発言を許します。天方君。 〔天方晶英議員登壇(拍手)〕 ◆(天方晶英君) 私は,西京区選出の天方晶英でございます。都みらい市会議員団を代表して市長並びに関係理事者に質問いたします。 私は,平成3年4月の初当選以来,この壇上での代表質問も今回で8回を数えることになりました。さて私が1年生議員としてこの議会に参りました当時は,戦後2番目の大型景気と言われる平成景気が終焉を迎え,それまで右肩上がりだった日本経済がバブル不況という名の下に下降線をたどり始めた時期でありました。しかし当時は,まだ日本経済は持ち直すものと考えられていました。私たち京都市会議員も当時,間近に迫っていた平安建都1200年事業に向けて100年前の京都の先人の業績をたたえ,100年後の子孫に何が残せるのかなどという議論を展開していたのでありました。ところが政府の失政もあり,景気は立ち直るどころかますます後退を続け,今日では倒産も失業も戦後の最悪を記録するなど世界恐慌の引金になってしまうおそれすら指摘されています。こうして考えてみますと,私の7年6か月間というものは,日本丸が海図なき航海に出港し荒波の中で懸命に目的の港を探し求めた時代であったのではないでしょうか。戦後の53年というものは,物の豊かさを追求した時代でもありました。しかし,人はそれと引換えに心を失いました。この度経済企画庁長官になられた堺屋太一氏も,最も暗い時期を通り過ぎようとしていると正直に評価しておられます。21世紀に向けて今こそ心の豊かさを取り戻し再構築しなければならない時代の到来でもありましょう。そこで本日は,これまで私が代表質問の中で採り上げてきた問題や要望,更には改善を申し入れた事柄などを,また4か月前の5月市会での質問を振り返りながら質問させていただき,今後の京都の将来を考えるあるいは目的の港を見付け出すきっかけにしていきたいと考えます。 折しも本市は今年自治100周年を迎えました。その事業の一つとして将来を担う子供たちによる京都こども市会が開かれました。この6月,国公立,私立学校,民族学校,国際学校の小学5年生から中学3年生を対象に募集,179校1500名の応募の中,選考により議員定数の72名,約20倍の競争率の下,小学生47名,中学生25名でもって,ひと,まち,産業,文化,自然のそれぞれの委員会を設け,8月26日は最終本会議が行われ宣言文まで採択されました。内容的にも,外国人との交流,リサイクル,伝統産業の問題から地球温暖化の問題まで私たち顔負けの議論がなされたようにお聞きしております。私は時宜を得たおもしろい企画だったと思います。まず市長から今回のこども市会についての感想と,そしてこの機会に印象に残った質問とそれに対する市長の回答,決意をお聞かせください。 次に,京都は世界の京都,日本の京都としてやはりすばらしい所です。世界文化観光都市として人々の心のよりどころ,ふるさとであります。しかし,このことは財政難のときであれ何であれ,金の掛かる文化,芸術というものを持ち続けねばならないという痛みを伴います。我が会派からも要望いたしておりました学校歴史博物館がやっと日の目を見ることになりました。このことは貴重な京都の財産を守るという意味で,現在の,そして将来の京都にとって非常に意義のあるまさに市長の英断だったと思います。 さて5月にも質問いたしました美術館についてであります。従来から現美術館の移転新築,第二美術館の新築などを,この京都が文化都市として生きていくために必要であるとの観点から要望いたしてまいりました。しかしながら,昨今の財政難や用地確保の問題などもあり実現が困難となり,第二美術館として岡崎文化ゾーン内の京都会館別館を利用することで落ち着きました。しかし,以前にも指摘申し上げましたように,別館は展示会場面積が現美術館の6分の1程度しかないこともあり,ギャラリー機能の美術館としてしか利用できません。本館は昭和8年に当時の金額100万円で市民や経済界の力で創設され,現在65年目になります。老朽化も激しく,他都市に立派な美術館が建設されていく中で設備的には太刀打ちのしようがない状態であります。私は,あくまでも文化首都京都にふさわしい美術館を持つべきと考えますが,このことについてまず市長の率直な考えをお聞かせください。 しかし,今日のこの状況下ではそれほどのお金が掛けられないという事情も分かります。そのときは,やはり知恵と内容で勝負するしかないと考えます。現在,所蔵している1700点余りの作品や伝統ある芸術大学に埋もれている優秀な作品を有効に活用し,また京都らしい企画展を工夫するなど芸術,伝統,文化の京都と言われるにふさわしい内容にする必要があると考えます。他都市に比べて建物ではかなわないが内容では負けないという企画を出していただきたいと考えますが,現美術館,そして第二美術館それぞれについて,現在どのような企画を,更に将来の戦略をお持ちなのか文化市民局長にお尋ねします。 次に防災問題について触れてみます。9月1日例年のごとく京都市防災訓練が直下型地震発生の想定の下,伏見宇治川河川敷で大々的に行われました。訓練は年々高度になり一定の評価を受けるところでしょう。しかし京都以外では,東北地方で年間の3分の2,約8か月分の雨量が5日間で集中的に降るという考えも付かないような災害で大変な被害をもたらしました。相前後してやはり東北の雫石の震度6の地震や首都圏での地震。そして,私は8月7日から3日間北アルプス槍ヶ岳に登山をしたのですが,上高地中心に震度4程度の群発地震に遭遇しました。1日に20回程度は体感しながら登っておりましたが,大きな地震になれば大変だと思いつつ,もちろん沢を渡るときは落石に注意しながら新穂高に降りたのですが,下山途中も地鳴りや崩落の音など不気味でありました。その後に入山禁止になったりしましたが,結果的には大事故に至らなくてほっといたしております。また海外でも中国は揚子江を中心に大水害となり,日本の農耕面積の4倍からが被害を受け農作物にも大被害が出ています。片やアメリカでは猛暑での被害が出たり,今までの経験上及びも付かない事態が出ています。この辺りは地球環境のあり方を問われています。地球温暖化の進行,エルニーニョ現象などの影響は,我々の身近な生活上にまで及んできています。もし仮に東北のような雨量の風水害を京都市にもたらしたなら大変なことになるでしょう。阪神・淡路大震災以来,震災対策を中心に本市の防災計画は相当改善されてまいりましたが,このような異常気象による水害に対して本市の体制は万全なのでしょうか。消防局長から市民の皆さんが安心できる御答弁をいただきたいと思います。 次に,これからの時代は環境問題も災害につながることになってきます。少し環境問題に触れてみます。昨年12月地球温暖化防止京都会議が開催され京都議定書が採択されました。京都市においても昨年4月に環境基本条例を制定,7月に数値目標CO2 10パーセント削減を掲げる地球温暖化対策地域推進計画を発表,更に10月にその実行計画,行動指針となる京のアジェンダ21を策定しました。こうした市の取組は,京都会議の開催都市,そして環境と共生する持続型社会の実現を目指す都市にふさわしいものと評価できますが,今私たちが求められていることは,家庭,事業所,工場などまち全体からごみの排出をなくし,身近な所から実践行動を具体的に展開することであると考えます。 そこでお伺いします。環境と共生する持続型社会すなわち資源循環型社会の先駆けとして,昭和62年には授産施設である京都市横大路学園において空き缶のリサイクルが始まりました。そして今年度末には新たな再資源化施設が完成すると聞いておりますが,21世紀を目前に控えた平成12年には容器包装リサイクル法の完全実施がなされます。今後ともこのような再資源化工場の建設が望まれていますが,どのように取り組んでいかれるつもりなのか環境局長からお聞かせ願いたいと存じます。また市民,事業者,行政のパートナーシップに基づくごみ減量推進のための取組として今日までにどのように取り組まれどのような成果が挙がっているのか,今後,環境と共生する持続型社会に向けてどのような計画をお持ちなのか環境局長からお聞かせ願いたい。 ごみ減量化推進と相まって昨年8月から施行された美化推進条例について質問いたします。国際文化観光都市京都はなぜきれいにならないのでしょうか。5月30日のごみゼロ・元気職員クリーンアップ大行動,更に自治100周年の冠を付けた6月13日の世界一美しいまち京都・元気市民クリーンアップ大行動などの取組が大々的に行われたことは承知しております。また市役所の職員さんによる役所周辺の門掃きや様々なパンフレットによる啓発活動にも取り組まれているようにお聞きいたします。しかし,これだけ行政が音頭を取って啓発したり経費を使ったりしているのになぜ効果が上がらないのでしょうか。まちを歩いていて,あぁきれいになったなという実感が私にはどうしても感じられないのです。大行動は一過性,パンフレットは読まれもせずに逆にごみになる。こんなふうに感じているのは私一人でしょうか。私の身近なターミナルでも,朝の5時過ぎからボランティアや地元の方たちが一生懸命に清掃をされ,いったんはきれいになるのですが,時間を追うに従い,たばこの吸い殻をはじめ空き缶やごみが所構わず捨てられ,更に放置自転車やバイクが道路を埋め歩行者の通行にも妨げになるというのが日常であります。行儀,モラルの問題は我が会派の今枝議員も何度も言われておりますがなかなか改善されません。5月市会で答弁いただいた市民,事業者,行政が一体となった取組により確実に美化の実効を上げ,美しいまち京都をみんなで造り上げてまいる考えと理想的ではありますが,本気で条例の理念を実現するためには条例中の罰金規定の運用を真剣に検討すべきと考えますがいかがですか。美化推進条例という立派な条例を絵に描いた餅にしないためにも市長から本音の御答弁をお願いいたします。 次に地元の西京区のことについて質問いたします。やはり洛西ニュータウンにお住まいの方たちは地下鉄の延伸を心待ちにしておられます。(発言する者あり)ありがとうございます。毎回のように採り上げていますが,東西線の南伸が優先されました。その後も当面は二条から西大路までとお聞きしております。西大路から洛西までのことはまだ藪の中のようですが,私の平成9年2月の質問で,二条以西については再検討しなければならない。また洛西への交通手段も地下鉄を基本としつつも様々な手法について研究してまいりたいとの答弁をいただいています。この間どのような研究をされ,現在どのような考えをお持ちなのか,市長から明らかにしていただきたいと思います。 また洛西方面の方たちは,交通の便はバスか自家用車に頼らなければなりません。しかし,桂川は渋滞のためになかなか渡りにくい。また山科方面は地下鉄や京阪バスの定時運行でかつての陸の孤島を返上,残るは西京区や京都市の南西部ということになります。すなわち京都西部の総合的な交通問題についてどのように考え,どのように解決されようとしているのか,副市長お答えください。 これも毎回言い続けていますが,桂駅東口前通の整備が依然として進んでいません。阪急桂駅前は1日約6万5000人の乗降客があり,駅前の駐停車をはじめ問題は山積しています。どのような計画で実行されるのか,副市長からお答えください。また交番所の設置については市民の安全の問題でもありますので,引き続き強く要望いたしておきます。以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(宇都宮壮一君) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼君) 天方晶英議員の御質問にお答えいたします。 まず天方先生も終始一貫熱心に御視察いただきました京都こども市会についてでございますが,子供たちが心を一つに京都のまちを良くしたいという熱意と姿勢が伝わり心から感動いたしました。子供議員の意見,提案は,京都の良さを発信するキッズ親善大使,地球環境をも視野に入れたライトダウンや京都自然遺産制度など真剣に考えられたものであり大変頼もしく心強く感じました。21世紀の主人公は子供たちであります。子供議員の夢や希望を十分に受け止め,全庁的な検討を重ね可能な限り実現に努めてまいる所存でございます。 京都にふさわしい美術館のあり方についての御質問でございますが,京都が世界に誇る近代美術の宝庫を市民はもとより広く世界に紹介することは文化首都の責務であると考えております。市民の皆様に貴重な所蔵品を鑑賞していただく機会を確保するためにはギャラリー機能とミュージアム機能の充実を図ることが必要であると考えており,その第一歩として京都会館別館をギャラリー館としてその改修に取り組むことといたしました。引き続き美術館本館の再整備の検討を進め,現美術館のミュージアム機能の整備充実を図ってまいりたいと考えております。 美化推進条例の罰則規定は,抑止効果を期待するにとどまらず悪質なポイ捨ては3万円以下の罰金に処すると定めております。条例施行以降,おっしゃいました先の100万人まち美化大行動に見られるように美化運動の大きな盛り上がりが形成されておりますが,残念ながらポイ捨てが後を絶たないのが現状であり罰則の適用を求める声も強まっております。このため罰則に係る周知啓発を徹底するとともに,罰則が適用される美化推進強化区域の表示看板の整備充実や市民の皆さんと一体となった監視指導体制の確立,関係機関との連携強化などの条件整備に力を入れておりますが,おっしゃるとおり罰則規定を空文化あるいは絵に描いた餅にしないために,そして京都を世界一美しい大都会にするために十分な啓発をいたしたうえで思い切った適用を考えていかなければならない時期に来たと考えております。 先年来お尋ねいただいております東西線の二条以西への延伸についてでございますが,平成9年度では需要予測の基礎データ整備や地下埋設物の調査などを行い,平成10年度は乗客確保の見通しや具体的なルート,更に地下鉄での事業化を基本としつつ,新たな交通手段の可能性についても調査を進めているところでございます。これらの検討に当たりましては,京都市の西部地域の総合的な交通ネットワークの将来のあり方を踏まえていくことが必要でありますことから本年度,平成10年度から2か年で西部地域の総合交通体系調査を始めております。学識経験者等の御意見も賜りながら,来年度,平成11年度にはこの地域の総合交通体系の方向性を取りまとめ,その中で東西線の二条以西への延伸の事業化について考え方を明らかにしてまいりたいと考えております。西京区,右京区,南区,京都西南部の発展のためにも地下鉄東西線の西伸は,私は是非とも必要であると考えており悲願であります。時間が掛かっても粘り強く推進してまいりたいと思っております。 以下,副市長,局長が御答弁申し上げます。 ○副議長(宇都宮壮一君) 増田副市長。 〔増田副市長登壇〕 ◎副市長(増田優一君) 本市西部地域の総合的な交通対策についてお答え申し上げます。本市の西部地域につきましては,国道9号の交通渋滞の慢性化や観光地における交通問題が生じており,道路,鉄道などの交通基盤整備が大きな課題となっております。これまでも桂川街道や羽束師橋の整備のほか,JR山陰本線の複線高架化や新駅の設置を進めるとともに,国と協力して国道9号京都西立体交差事業に着手するなど問題の解決に努めてまいりましたが,議員御指摘のようにまだまだ交通基盤整備は立ち後れた状況にございます。このため先ほども市長から申し上げましたとおり,今年度から西部地域における望ましい交通のあり方を検討するため総合交通体系調査を行うこととしております。本調査におきましては,学識経験者の意見もいただきながら鉄道網や道路網だけではなくターミナルや駐車場の整備,バス輸送など総合的な交通施策を検討していくこととしており,平成11年度には西部地域の総合交通体系について基本的な方向性を取りまとめてまいる考えでございます。 次に桂駅東通の整備についてでありますが,本路線につきましては阪急桂駅東口広場と新山陰街道との間のアクセスの向上を図るために整備を進めており,現時点で約83パーセントの用地取得を見ております。しかしながら,この路線の整備に伴い既存の自転車駐車場が廃止又は縮小されるため,新たに約1500台の自転車駐車場の確保が必要になっておりまして,現在その候補地の選定作業を進めているところでございます。本市といたしましては,今後とも引き続き用地買収や自転車駐車場の確保に努め本路線の早期完成を目指して取り組んでまいります。 ○副議長(宇都宮壮一君) 稲津環境局長。 〔稲津環境局長登壇〕 ◎環境局長(稲津国男君) ごみ減量の推進につきましては,廃棄物を限りなくゼロに近付けるいわゆるゼロエミッションを基本といたしまして,環境共生型都市の実現を目指しまして本年5月に一般廃棄物ごみ処理基本構想を策定いたしました。今年度中にこの構想を踏まえまして一般廃棄物ごみ処理基本計画を策定してまいります。現在におきます具体的な取組につきましては,京都市ごみ減量推進会議を設立いたしまして市民,事業者とのパートナーシップに基づきまして簡易包装の推進や秘密書類リサイクル事業,また使用済み天ぷら油の回収などなどの事業活動に取り組んでおりまして,今後更に積極的な事業展開を進めてまいります。 また今後の再資源化施設につきましては,資源循環型社会の構築を目指しますうえで平成12年度の容器包装リサイクル法の実施に向けましたその他プラスチックなどへの対応のほか,事業系ごみの分別リサイクルの取組の拡大が必要であると考えておりまして,現在建設しております再資源化施設に加えまして,更なる施設整備の計画に取り組んでまいります。更に市民,事業者の視点に立ちましたごみの減量と環境共生意識の定着に向けました普及啓発施設の計画も積極的に進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(宇都宮壮一君) 坪倉文化市民局長。 〔坪倉文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(坪倉讓君) 美術館の企画についてのお尋ねでございますが,この秋に京都の100年,パリの100年という企画の中で当美術館の所蔵する貴重な所蔵品を展覧する予定であり,今後もより多くの市民の皆さんに貴重なコレクションに触れていただけるよう常設展や企画展の開催に積極的に取り組むなど引き続きいろいろな機会をとらまえて広く世界にも発信してまいりたいと考えております。第二美術館につきましては,多様な貸館需要に的確に対応できるよう美術活動の支援拠点としてより多くの方々に利用していただけるようギャラリー機能の充実を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(宇都宮壮一君) 増田消防局長。 〔増田消防局長登壇〕 ◎消防局長(増田久男君) 水防体制についてでございますが,局地的な集中豪雨など最近の気象状況を考えますと改めて万全を期していかねばならないと考えております。予防対策の面からは,河川,排水路,下水道などの施設整備が着実に進められているところでございます。また応急対策の面からは,本年度雨量計の増設,気象情報オンラインシステムの導入,防災情報システムの整備に着手するなど一層の充実を図っているところでございます。更に災害発生が予測される場合には,直ちに災害対策本部を設置いたしまして,市民の安全を守るため全庁体制で対処してまいる所存でございます。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(宇都宮壮一君) 次に市政一般について,富きくお君に発言を許します。富君。 〔富きくお議員登壇(拍手)〕 ◆(富きくお君) 山科区選出の富きくおでございます。都みらい議員団を代表し,先ほどの天方議員に引き続きまして市政一般について質問いたします。何分11番目の質問者でありますから重複する部分が多々ございます。議員各位,また理事者各位におかれましては何とぞお許しいただきたいと思います。 去る8月31日,お隣の北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本上空を通過し三陸沖の太平洋上に着弾。日本列島が大騒ぎになりました。ところが,先日アメリカからの情報でミサイル発射は人工衛星打ち上げの失敗であったと分析されました。しかし多くのマスコミ,新聞報道によりますと,人工衛星であったとしても北朝鮮が日本全土を攻撃できる弾道ミサイル発射の能力を獲得したことに変わりはないと報じております。仮に今回のミサイル発射が人工衛星の打ち上げであったとしても,危険区域すら予告せずに突然日本列島を横断させたことは危険極まりない行為であり断じて容認できるものではありません。また我が国においては,当初の弾道ミサイル説も人工衛星説も,いずれも最初からアメリカ国防総省からの情報に頼らざるを得ないという甚だ心もとない状況でありました。今回のこの事件で明らかになった問題点は,我が国の情報収集能力の乏しさと危機管理の甘さであります。アメリカと我が国の間に軍事情報を提供する早期警戒情報システムがあるとはいえ,国民の命と安全と財産を他国の情報にゆだねているというのでは我が国の安全保障は余りにもお粗末と言わざるを得ません。かつて5年前の1993年3月にも北朝鮮は弾道ミサイルノドン1号を日本海に向けて発射いたしました。そのときの教訓は一体何であったのか。しかも今回のミサイル騒動のさなか,防衛庁の幹部が防衛産業企業と癒着,天下り先の確保に奔走し背任行為で逮捕されるという情けない始末であります。一体,我が国の防衛はどうなっているのでしょう。もとより防衛問題や外交問題は国政レベルの問題でありますが,政治の基本はすべての国民,市民の命と安全,財産を守ることです。これを根底から揺るがしかねない今回の事件と危機管理の甘さは,私たち地方自治体といえども見過ごすことのできない重大な問題であります。特に本市をはじめとする大都市は外国から攻撃された場合,標的となりやすく,その被害は想像を絶するほど甚大でありましょう。私たち市会議員もさることながら,市長は150万市民の代表として,我が国を含むアジア全域の緊張を高める今回の北朝鮮の暴挙に対し強く抗議するとともに,政府に対しても我が国の安全保障のより一層の充実を求めていくよう強く要望いたしておきます。水と空気と平和すなわち安全は,決してただではないことを私たち市民一人一人がしっかりと自覚すべきであると考えます。 介護保険制度について質問いたします。急速な高齢化が一段と進む現在,介護を家族だけでなく社会全体で支えるための新しい社会保険制度として設立されたのがいわゆる介護保険制度で,2000年4月の導入に向け今準備が本格的に進められております。実施まであと1年半余りというのに保険料は幾らでどんなサービスが受けられるのかなど具体的なことが市民の方々にまだ十分理解していただけていないように思われます。特に我が京都市は高齢化が進んでおり,65歳以上人口は約23万8000人と総人口の実に16.3パーセントを占めており,前年に比べ約8000人,3.5パーセントの増加となっております。介護保険制度が実施された場合,保険料を支払わなければならない方は40歳以上で約73万7000人です。これは京都市の人口の半数にも及びます。一方そのうちサービスを受けられる方々は2万2000人と予想されております。制度の運営主体は京都市であり,各家庭への専門家による訪問調査,そして認定審査を経てサービスが受けられる仕組みとなっており,膨大な作業と手続がこれから京都市の仕事として課せられてまいります。そこで介護保険制度の導入に当たり十分検討して取り組むべき課題について順次質問いたします。 まず第1に,利用できる各種のサービスについて必要なサービス量が果たして確保できるのかどうかという点であります。利用できるサービスには在宅で受けるサービスとしてホームヘルパーによる訪問介護や訪問入浴,ショートステイ,デイサービスなどがあります。もう一つは特別養護老人ホームや老人保健施設などに入所して受けるサービスがあります。これらサービスを提供するに当たって必要な人数のホームヘルパーを果たして確保できるのか。本市ではサービス利用者を2万2000人と予想しておりますが,実際に制度がスタートした場合,サービス利用者は当初の予想を大幅に上回るのではないか,非常に心配されます。そこでサービスの確保についてどのように認識しておられるのか。またホームヘルパーや施設の不足が予想される場合,どのようにして確保していくおつもりなのか副市長にお尋ねいたします。 次に保険料についてであります。厚生省の試算では65歳以上の平均介護保険料は1人当たり月額2500円と算定されております。また40歳から64歳までの方々の保険料は健康保険組合加入者の場合で月額3400円を労使で折半すると算定されております。しかし施設での介護費用は在宅での介護費用を大幅に上回るため,施設を利用する人の割合が多い地域ほど保険料は高くなってまいります。現実に高齢化が進んでいる高知県で試算したところ,65歳以上の保険料は月額3800円と算定され厚生省の試算を大きく上回っているとのことであります。更に利用したサービス額の1割が自己負担となるため,低所得者の中にはサービスを受けたくても保険料や利用料が払えないという方が出てくることも想定されます。これらの方々に対し格段の配慮が必要と思われますがどのように対処されますか,副市長にお尋ねいたします。 またサービスは症状により6段階に区分されております。その区分分けの基準となるのが要介護認定であります。すなわち介護がどの程度必要か判定する制度であります。これはサービスを受けられる方々にとって非常に重要なものとなります。しかし認定の仕組みが分かりにくく,特に痴呆については更に判定が難しいとも言われております。認定の仕組みを明確にし,判定の正確さを期すためにどのように取り組んでいくおつもりなのか副市長にお尋ねいたします。 更に特別養護老人ホームは,新ゴールドプラン以降,これ以上建設の必要なしとの方針と伺っておりますが,本当にこれで大丈夫なのですか。また特別養護老人ホームは現在措置費で運営されていますが,介護保険制度では保険給付として介護報酬でサービスを提供するわけですから,適切な介護報酬を設定しないとホームの運営に支障を来し,結果的には症状の軽い方々を追い出さなければ運営が成り立たなくなるおそれがあります。サービスを提供する特別養護老人ホームの経営者の不安は今一層深刻であります。このことに関して副市長に見解を求めます。現在の不況は消費不況とも言われておりますが,国民の老後の生活への不安が消費心理をより一層冷え込ませていることも大きな原因だと考えます。今後京都市においては介護保険制度の不透明さを拭い去るとともに,老後の介護のありようを明確に示していくことが安心して暮らしていける高齢社会づくりに必要不可欠であると考えます。2000年実施に向け格段の努力をされるよう強く求めておきます。 次に景気対策及び融資制度の拡充についてお尋ねいたします。京都府下においても倒産件数は今年に入って連続して過去最多を記録し,特に中小零細企業の多い京都市においては状況は極めて厳しく,京都市全体の活力を大きく低下させている状況にあります。本市の中小企業指導所への融資申込状況を見ましても,平成9年1月から6月の6か月間で申込件数2140件に対し,本年,平成10年の6か月間には実に4415件と昨年に比べ今年は2倍以上の申込みがあり,申込金額に至っては昨年の3倍近くの増加となっております。この数字は,本市の景気動向がいかに冷え切っているかを示すものであります。本市においても,こうした状況にかんがみ中小企業を対象に国が定めた緊急経済対策を実施しておりますが,当面景気の急速な回復が見込めない今,引き続きこうした対策を実施していくことは是非とも必要であります。今回の特別融資は,国の法律により一昨日の9月16日で受付が締め切られましたが,このような底冷え状況の下では一日でも空白を作ることは断じて許されないことであります。今,融資は一刻を争う状況なのです。また,中でも小規模事業対策融資の場合,融資金額は最大で750万円,経済安定対策融資の場合,最大3500万円となっております。これを更に増額する必要があります。中小零細企業が円滑に運転資金を調達できて景気浮揚につなげていけるよう,こういうときにこそ京都市はじめ公的金融機関がこぞって全力でこれら企業を支えていくべきであります。そこで市長は,京都市における景気状況をどのように認識しておられるのかお伺いいたします。そして更なる緊急融資の実施期間の延長,融資金額の増額はできないのか。また返済条件の緩和策を早急に考えるべきと思いますがいかがですか。これは産業観光局長からお答えください。 次に市職員の不祥事についてお尋ねいたします。先日,平成9年度の懲戒処分状況が初めて報告されました。合計88名で前年度に比べて13名の増加となっています。また今年度に入ってからも次々と不祥事が続発し連日新聞紙上をにぎわしており誠に遺憾なことであります。特に市職員の度重なる不祥事は,日常的に市民の皆さんと直接接している私たち議員に厳しい批判が浴びせられております。未曾有の不況の中,民間企業がその生き残りをかけてすさまじい自己改革やリストラの洗礼を受けている中で,覚醒剤,収賄,暴行,運転事故,また婦女暴行などあきれ果てるような失態をしでかしながらも,民間企業では考えられないような軽い処分で事を済ませている公務員という職業とその立場に対し多くの市民が根強い不信感を今募らせています。私たちが市民の皆さん方に,大多数の職員はまじめに仕事に取り組み勤勉な人たちでありますよと幾ら説明しても,もはやむなしい言い訳としか聞いていただけません。誠に情けない限りであります。市職員は地方公務員法という手厚い法律で身分が保障されているわけですが,それには地方公務員としての自覚を持ち,公僕として職務を全うするという前提があってこそ初めて保障されるべきものでありましょう。自覚もなく,職務も全うできない職員は地方公務員としての資格に欠ける者として,その身分保障を剥奪し厳重な処罰を受けて当然であります。また,このような不祥事を起こす前に必ず何らかの前兆があるはずで,平素の勤務態度などを十分にチェックすべきであります。そして信賞必罰の原則を貫き毅然と対処すべきであります。最近は各局でも研修を重ねているとのことですが,成果が挙がってるようにはとても思えません。民間企業では徹底した社員教育が行われ,本来の業務に関してはもちろんのこと,基本的な言葉遣い,マナーなどが徹底的に教え込まれております。一方ちゃんとしたあいさつもできない,基本的な接客マナーも知らない,そのうえ上司の指示にも素直に耳をかさない,そんな役所の土壌がこのような不祥事の温床になっているのではないか,そんな気がいたします。市民の生活を預かる公務員を育てるため従来型の研修から徹底した教育に改めていく必要があるのではないでしょうか。どのようにして不祥事を根絶し職員のやる気を育てていくのか,具体的な方策と市長の決意をお聞かせください。 次に職員の採用問題についてお尋ねいたします。戦後最悪の雇用環境の中,公務員の人気は高く,採用試験の倍率は驚くべき高さとなっております。こうした状況の中,市現業職の採用に関し市民の皆さんの中に不公平感が生じております。同和地区の方々の就労対策として取り組んできた採用方法ですが,一定の成果をほぼ達成したと考えます。同和地区優先の採用を見直し,今後は公平な形での採用に早急に取り組んでいくべき時期を迎えていると思います。そして公務員としての自覚と熱意と能力を持った人物をフェアに採用するため,現在一部公募試験による選考採用が行われておりますが,今後は上級職,中級職の採用と同じく第三者機関すなわち人事委員会による競争試験を導入するなど,これまでの不透明な選考採用を改めるべきであると考えます。今後の現業職員の採用のあり方について早急に改善すべきと考えますが,時期も含めて市長からお答えください。 最後に山科区における諸課題について二つ質問いたします。まず山科総合地域福祉センターの着工についてです。旧山科図書館跡地に具体的なビジョンの付いたセンターの早期実現については,山科区社会福祉協議会から強い要望が出されてから既に3年が経過いたしております。この福祉センターには区,学区社会福祉協議会の地域の福祉活動の拠点のみならずデイサービスセンター,老人福祉センター,子育てセンター,福祉ネットワークセンター,ボランティアセンターなどの地域に開かれた施設となるよう要望されております。平成9年度では,市長の英断により基本計画策定費が,また平成10年度では実施設計費が計上されたところであります。そこで具体的な規模と設備について,また着工計画はいつごろになるのか,民生局長にお尋ねいたします。これは山科区選出のすべての議員の願いであります。 次に新十条通についてであります。平成7年5月より地元近隣住民の皆様方の協力の下,阪神高速道路公団により工事が行われておりますが,いよいよ山科側よりトンネル工事の本格着工がなされようとしております。完成予定は平成14年度末とされておりますが,現在まで用地買収も含め計画どおり工事が進捗しているのかどうか,開通に向けての見通しについて都市建設局長からお答えください。 以上で私の第一質問を終わります。(拍手) ○副議長(宇都宮壮一君) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼君) 富きくお議員の御質問にお答えいたします。 日本経済は4月から6月期の国内総生産GDPが前期と比べて0.8パーセント,年率換算で3.3パーセント減少し,戦後初めて3四半期連続してのマイナス成長を記録いたしました。個人消費の低迷,設備投資の落ち込み,更に金融システム安定化の遅れなどから景気回復は当面期待できず,9月の月例経済報告においても,景気は低迷状態が長引き極めて厳しい状況にあるとの総括判断を示しております。 〔宇都宮副議長退席,中野議長着席〕 ◎市長(桝本頼兼君) (続)本市が3か月ごとに実施しております中小企業経営動向実態調査におきましても,主要3指標であります企業景気,生産販売量,経常利益がいずれも5期連続して下降しており,これはバブル経済崩壊後の8期連続下降以来のことであり,中小零細企業を取り巻く経営環境は誠に厳しく憂うべき状況にあると認識いたしております。 次に職員研修についてでございます。職員研修につきましては,市民感覚を大切にするとともに,市民にとって良質で満足度の高いサービスを提供する職員の養成を基本理念の一つに位置付けております。職員の不祥事を防止し市民の負託にこたえていくためには倫理観の高揚が極めて重要でございます。そのため公務員倫理感覚向上特別強化期間を設定し,各職場において全職員に対し倫理研修を徹底して実施するとともに,管理監督職員の管理能力を高める研修を強化し,従来型の研修の枠を超えた取組に工夫を凝らしているところでございます。今後とも研修が単に知識の習得にとどまることなく,市民の期待にこたえ市民の目線に立った市政を推進する行動に結び付き,更に職員のやる気を引き出す市民応対特別講座やパートナーシップ講座などの研修を積み重ね充実してまいりたいと存じております。 技能労務職員の採用問題すなわち雇用についてでございますが,これが同和問題の解決を目指すうえで大きな役割を果たしたことはおっしゃるとおりでございます。しかしながら,今日その見直しが急務となっていることも御指摘のとおりでございます。こうした認識の下,平成10年度の採用においては,技能労務職の採用者総数を大きく減らす中で一般公募の比率を拡大いたしました。そして行政の主体性の下に選考方法の改善を行ったところでございます。今後につきましては,今後が誠に大事であると存じておりますが,法的措置の経過期間が終了する平成14年3月31日までに全面一般公募に向けた条件整備を終えるべく積極的に取組を進めてまいります。 以下,副市長,局長が御答弁申し上げます。 ○議長(中野竜三君) 薦田副市長。 〔薦田副市長登壇〕 ◎副市長(薦田守弘君) まず介護保険制度の導入に際してのサービス量の確保についてでございますが,制度の円滑な導入のためには給付の対象となる介護サービスの充実が必要でございます。このため,これまでから高齢者保健福祉計画の着実な推進をアクションプランのひとの元気策の中心に位置付けいたしまして,計画に掲げた目標の達成に向けて鋭意努力を重ねてきております。この結果,一部を除いてほぼ達成の目途は立ってきたと考えておりますが,引き続いてこの達成に向けて努力を重ねてまいります。なお,これら計画の後の12年度以降につきましては,市民の方々のニーズなども踏まえまして10年度,11年度で策定いたします介護保険事業計画の中でサービスの必要量とその供給体制確保のための方策について明らかにしてまいります。 次に介護保険料につきましては,各市町村におきます介護給付の水準に応じて第1号被保険者の保険料を設定するものでありまして,介護サービス基盤の整備状況によって市町村ごとに保険料の額は異なってまいります。また低所得者対策につきましては,国におきましては第1号被保険者の保険料を所得段階別保険料とすることや食事の標準負担額などにつきまして低所得者に配慮することなどを制度に盛り込まれているために,このほかに一般的な低所得を理由にして保険料や利用料を減免することは想定されておりません。本市といたしましては,保険料や利用料の負担が低所得者の方々にとって過重な負担とならないよう,引き続き国に対して要望いたしますとともに,今後国の考え方が明らかにされる中で他都市の動向なども踏まえながら京都市としての対応について検討してまいりたいと考えております。 次に要介護の認定につきましては,介護の必要性の有無やその程度及びサービスの支給限度額を決めるなど介護保険制度の重要な役割を果たすものでございます。要介護の認定の方法につきましては,判定の正確さを期すために昨年度のモデル事業の結果を踏まえ,訪問調査項目が12項目追加され,掛かり付け医の意見書の様式あるいはマニュアルの整備など大幅な改善が図られております。本市におきましても今年度は要介護認定の本格実施を見据え,全区,支所でモデル事業を実施いたしますとともに,来年10月の要介護認定の実施に当たりましては訪問調査や審査判定にばらつきが生じることのないように訪問調査員や介護認定審査会委員の研修を行うなど,より正確な要介護認定に取り組んでまいります。 次に特別養護老人ホーム等に支払われる介護報酬についてでありますが,現在,国の医療保険福祉審議会に設置された介護給付費部会におきまして基本的な考え方あるいは在宅サービス,施設サービスの各々について,多くの論点について議論されているところでございます。御指摘のように介護報酬の水準は特別養護老人ホームなどの施設をはじめとして介護保険の対象となりますサービス提供の事業者の事業運営に大きな影響を与えますとともに,一方利用者にとりましてもサービスの質に関係してまいりますことから,本市といたしましては国家予算に対する重点要望として,介護サービス事業者が健全な運営を行っていくことができるよう要望いたしておりまして,今後とも国の動向を慎重に見守ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 西口産業観光局長。 〔西口産業観光局長登壇〕 ◎産業観光局長(西口光博君) 緊急融資制度につきましてお答えします。この制度は,国が指定しました特定業種に該当する中小企業者に対する特別の融資であり,これまでに2回にわたり取扱期間を延長しております。現在,国におかれまして期間,対象業種などの見直し作業が進められているところでございまして,国の方針が明らかになった段階で本市の緊急融資の取扱いを延長してまいります。 次に融資限度額につきましては,現在中小企業信用保険法の保険限度額の改正について国会で審議されております。無担保無保証人を対象にした特別小口保険が750万円から1000万円に,また無担保保険が3500万円から5000万円に改正された場合には本市の融資制度の限度額を引き上げてまいりたいと思っております。また融資制度全般にわたりましては8月に融資利率を引き下げましたが,返済条件等につきましても今後とも信用保証協会とも十分協議しながら検討してまいります。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 松井民生局長。 〔松井民生局長登壇〕 ◎民生局長(松井珍男子君) 山科区総合福祉センターについてお答えいたします。長年にわたりまして地元の先生方あるいは地元の皆さんから熱い御要望を受けておるものでございまして,今実施設計をいたしております。この施設につきましては,老人デイサービスセンター及び老人福祉センターと併せ山科区社会福祉協議会の事務室を合築整備し,在宅福祉と地域福祉を一体的に推進する拠点となるようおおむね1000平方メートルの規模で計画いたしております。今後におきましては厳しい財政状況の下ではありますが,来年度は高齢者保健福祉計画の最終年度であることを頭に置きまして,早期建設に向けて最大限努力してまいります。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 山口都市建設局長。 〔山口都市建設局長登壇〕 ◎都市建設局長(山口巖君) 新十条通の進捗状況についてお答えいたします。本路線につきましては,阪神高速道路公団を事業者といたしまして平成7年度から用地買収に着手し,現在70パーセントの用地確保が完了いたしております。残りの用地につきましても鋭意取得に取り組んでいるところであります。また工事の進捗につきましては,山科側のトンネル坑口部を施工中であり,本年11月から本格的なトンネル本体の掘削に着手してまいります。更に伏見側におきましても京阪本線から東高瀬川までの約340メートルにつきまして既に工事に着手しているところでございます。平成14年度末の完成を目途に同公団により鋭意事業が進められております。本市といたしましても,今後とも公団と一体となりまして事業の進捗に全力を挙げて取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(中野竜三君) 富きくお君。 〔富きくお議員登壇(拍手)〕 ◆(富きくお君) 山科区の新十条通の問題でありますが,先ほど局長から答弁いただきました。平成14年度末の完成をめどに公団により事業が進められており,本市として公団と一体となって事業の進捗に全力を挙げて取り組んでいくという答弁でありました。今,鳥羽街道団地の用地買収が全く進展していないと聞いております。これは昨日聞いたわけでありますが,公団の度重なる交渉においても団地側の京都市に対する不信感が根強く,それが原因となって膠着状態が続いているようであります。過去当団地については京都市は何十回も足を運び話合いをされたようでありますが,私は事業が公団に引き継がれた今日も京都市として当団地に出向いていき誠意を持って理解を求めていくべきであると考えます。山科側の工事着手に関しても,つい最近まで様々な問題が山積しておりました。この道路の役割と意義について,農業用水路の取付けの問題,環境影響評価の問題,換気塔と排ガス問題,取付け道路部分についての問題などなど,この中には未解決のものもありますが,いろいろな難問がございました。しかし地元の私たちの要請により京都市も出向き,公団とともに説明を行い誠意を持って話合いをしたではありませんか。そして今では住民の皆さんの御理解と御協力を得てようやくトンネル着工までこぎ着けたわけであります。私もほん地元の議員として,あなた方京都市と公団,近隣住民及び隣接する住民との間に入り何回も話合いをしてきたではありませんか。鳥羽街道団地ではどうしてできないのでしょうか。共産党の諸君は昨日の代表質問でも相変わらず新十条通建設に対し強硬に反対しており,この団地問題がともすれば反対運動の核となり,また彼らの政党や選挙運動へと化していくようにも思われてなりません。大変危惧いたしております。(発言する者あり)当団地において都市計画道路内に住んでおられる住民の中には,この状態では中途半端で出ていくにも出ていけない,将来の生活設計が成り立たないと不安の声も聞かれるぐらいであります。また早期の用地問題の解決を望む住民もおられますし,こういう方々の期待にこたえるためにも責任を持って引き続き京都市は誠意を持って努力されるべきであります。もとよりこの新十条通の早期開通は共産党の諸君が強く反対いたしておりましても,私たち山科区民にとりましては長年の悲願であり,市全体にとっても本市活性化への大動脈となる一大事業でもあります。このままではようやく始まろうとするトンネル工事も出口のないトンネルを掘ることになります。大きなほら穴を掘るつもりですか。(発言する者あり)この団地の用地買収については京都市のバックアップなしには不可能であると思います。今のままでは平成14年度末完成は到底おぼつかないと心配いたします。京都市も一体となってやるというなら公団任せにせず,当団地に出向き誠意を持って理解を求めていくべきだと考えますがいかがですか,局長の再答弁を求めます。終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(中野竜三君) 山口都市建設局長。 〔山口都市建設局長登壇〕 ◎都市建設局長(山口巖君) 鳥羽街道団地につきましては,団地管理組合による反対が根強く,公団との話合いが大変難航しておることは事実でございます。先生御指摘のとおり,京都市といたしましても,この事業をどうしても完成させなければなりません。そのために公団と一体となりまして地域住民に誠意を持って説明申し上げ,その解決に取り組んでまいりたいと思います。そして是非とも平成14年には完成させたい,そのために最大限の努力をしてまいります。以上であります。 ○議長(中野竜三君) これをもって一般質問を終結いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中野竜三君) 本日は,これをもって散会いたします。 〔午後4時33分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         議長    中野竜三         副議長   宇都宮壮一         署名議員  山中 渡         同     小川利治 △請願文書表「受理番号1907~1918」「大型店増床出店計画に対する指導」 △請願文書表「受理番号1919」「盗聴法案反対の要請」・請願文書表「受理番号1920」「消費税率引下げの要請」 △請願文書表「受理番号1921~1930」「消費税率引下げの要請」 △請願文書表「受理番号1931~1984」「消費税率引下げの要請」 △請願文書表「受理番号1931~1984」「消費税率引下げの要請」 △請願文書表「受理番号1931~1984」「消費税率引下げの要請」 △請願文書表「受理番号1985~1995」「学級定数30人以下実現の要請」 △請願文書表「受理番号1996」「不法焼却の即時停止」・請願文書表「受理番号1997」「児童館、授産施設の整備、運営」
    △請願文書表「受理番号1998~1999」「分譲住宅の開発許可等の留保」・請願文書表「受理番号2000」「市営住宅へのエレベーターの設置」 △請願文書表「受理番号2001」「第二久世橋(仮称)等の早期完成」・請願文書表「受理番号20002」「第二久世橋(仮称)等の早期実現」 △請願文書表「受理番号2003」「河川流域における雨水対策の確立等」・請願文書表「受理番号2004」「河川流域における無断投棄の原状回復」 △請願文書表「受理番号2005~2071」「交通利便の改善」 △請願文書表「受理番号2005~2071」「交通利便の改善」 △請願文書表「受理番号2005~2071」「交通利便の改善」 △請願文書表「受理番号2005~2071」「交通利便の改善」・請願文書表「受理番号2072~2088」「市バス路線の復活等」 △請願文書表「受理番号2072~2088」「市バス路線の復活等」・請願文書表「受理番号2089」「交通利便の改善」 △請願文書表「受理番号2090」「交通利便の改善」・請願文書表「受理番号2091~2092」「交通利便の改善」 △請願文書表「受理番号2093」「交通利便の改善」・陳情文書表「受理番号53」「河川流域における雨水対策の確立等」...